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第6章 あたたかい場所


皆と訓練を終えてカルマ君を立原の元に送り、殺せんせーとも例の買い物を終えてようやく学校に戻ってきた。

「ヌルフフフ、白石さん、どうでした?マッハ二十で世界を越える感覚は」

『凄かった…けどそれより、こんな良いのが見つかるなんて思ってなくて感動しました!』

購入した帽子を胸に目を輝かせていれば、殺せんせーが少しだけショックを受けていた。

「ニュヤ!?…ああ、でも本当にいいものがあってよかったですねえ。雑誌にもサイトにも掲載されていないようなオリジナルデザインのものがあって」

『はい!本当にありがとうございます殺せんせー…フフッ、中也さん喜んでくれるかなぁ』

「ニュ…先生から白石さんへのプレゼントはまたの機会にしましょう。先生今日は金欠で…って、そんな事ないですからね!?ていうかそもそも白石さんがあんなに持っている方が先生びっくりですよ!!」

まあ、そこそこの値段はしていた。
けど私はずっとお金をそんなに使うことなく貯金するばかりだったし、何かあれば中也さんが出しちゃうから、一々収入がそこそこいいのに全部貯まっていってしまう。

『んー…私からしてみれば中也さんの収入の方が気になるところ……いいですよ殺せんせー、そんなに無理しなくても。私が帽子買おうなんて冗談みたいなものですから』

「いいえ!先生絶対買いますからね!」

勢いに負けて引き下がるしかなく、ついついはい、と言ってしまった。

そしてそれからすぐに挨拶をして殺せんせーは帰っていき、一人である帽子を胸に喜んでいた時。

『…………誰?』

木々の中から視線を感じていたのが、ガサリと音を立てた。
中也さんへの贈り物にだけは絶対に傷をつけない。
油断しているように見せかけていたって、今の私は本気だ。

「あー、やっぱりバレてた?…久しぶり、蝶ちゃん」

『!トウェインさん?』

彼の言うとおり、その声を聞いたのは久しぶりで、後ろを振り返って姿を確認する。
一応、怪我の具合も良さそうで、特に何の心配もいらないみたいだった。

「うん、また明日ーって言っときながら全然来れなかったけど。ゼルダ号が落とされてこっちもバタバタしててさ…で、状況がかなり変わりそうだったから、意地で蝶ちゃんに会いに来た」

トウェインさんの顔から笑顔が消えて、真剣なものとなる。
意地で…普通の交通機関を使って、一人で来たそうだ
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