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第6章 あたたかい場所


な、中原さんマジか…、相当忍耐強ぇぞあの人、なんて声が聞こえる。
どんだけ蝶ちゃん好きなのあの人、てかこの歳から子育て!?なんて声も聞こえる。

『…そ、うなんだ……?』

「ほ、ほら白石!エロ本騒動の時だって、想像するも何も白石以外の女になんかさらさら興味なんかねえんだって言ってただろ!?」

岡島君が昨日の事を蒸し返す。
ダメだ、それはダメだ。

そんな事今言われたら、また昨日の事思い出しちゃうじゃない。

カルマ君の背中に隠れてキュ、と彼の体操服を掴み、そこに顔を埋めて、何も言えなくなる。

「!蝶ちゃん?……ああ…岡島、昨日は蝶ちゃん、中也さんに深いのされすぎて相当恥ずかしくなっちゃってるんだよね。蒸し返すと恥ずかしがって出てこなくなっちゃうんだけど?」

カルマ君の言い回しを考えれば、あの恥ずかしいのは言われてないのだろうか。
内心少しだけホッとするも、それでも思い出したら恥ずかしいのが止まらなくて…さっきだってそれで下が大変な事になってたのに、また顔が熱くなってきた。

「深いのされすぎてって、中原さんホント何してんだ」
「いや、蝶ちゃん大好きなのは分かるけどそこまでするとか…ああ、まあ耐えてたんだろうからその反動?」
「てかそこまでしててまだ付き合ってねえの?」

最後の発言に教室が静かになる。

そしてカルマ君に隠れているものの、皆が私の方に視線を集めるのをひしひしと感じる。

『つ、きあってとかない…からっ……だいたい、なんで私にそんなのばっかりするのかだって分かんないのに』

教えてもらうのは旅行の後。
それでお互いに納得している。

「普通に考えて好きだからじゃねえの?んなもん」

『……あ、あの人は思ってる事あったらちゃんと言ってくれるから…私の育ての親だもん』

言いながら思い出すのは、愛してやると言った中也さん。
そうなんじゃないのか、なんて淡い期待を抱き始めている自分がどこかにいて、それでも中也さんは親バカだからと、希望を持つのに怖がってる。

「…まあ、離島から帰ってきたら教えてくれるって言ってたし、皆もそれまでそっとしておいてあげようよ」

「!え、遂に!?遂になの!?」
「やっとかよあの人!?それなら大人しくしとけるな!」

周りが何故か嬉しそうにしているのに、一人だけ話についていけなくなった。

遂にって何、それならって何?
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