第6章 あたたかい場所
カルマ君の発言のせいでボロを出してしまい、皆が質問攻めにする。
「ちょ、カルマ!どういう事だよそれ、お前の目の前で何してんだ!?」
「ああ、それね?中也さんが馬鹿な事して、蝶ちゃんが中也さん不足になっちゃって中也さんにキスしたんだよ。んで、それの仕返しと言わんばかりに中也さんがディープキスを仕返したの。大人気なかったねあれは」
しかも何回もと付け足され、恥ずかしさが募るものの全て事実だから否定も出来ない。
だ、ダメだ、全部言っちゃった…悪魔だカルマ君、薄々分かってたけど!!
「中学生になんてこと教えてんだよあの人は!!?」
「しかも他の誰でもなくて白石だぞ!?この純粋無垢なE組の天使、白石蝶さんにだぞ!?」
言えない、実は最初は私からしようとしてただなんて絶対に言えない。
「つか気絶するレベルって、あの人そんなスキル持ってたのかよ!?うちのビッチ先生じゃあるめえし…ま、まさか他の女の人とそういう事をしてたり?」
「確かにそんな…って、馬鹿!!」
恥ずかしさ、そんなものは何故かどこかに去っていっていた。
他の女の人と経験があるの?
…だから、あんなに上手いの?
私以外の女の人と、中也さんは抱き合ったりキスしたり、その先ももっとしてたりするの?
「ち、蝶ちゃん?今のは男子達がふざけて言っただけだから気にしなくて大丈夫だよ!中也さんが蝶ちゃん以外の女の人に興味なんてあるわけないでしょ!?」
カエデちゃんが嬉しいことを言ってくれてる。
でも、身体がちゃんと記憶してる。
あんな上手いキスなんて…気絶するようなキスなんて、普通出来ない。
それに私に下手だなんて言っていた…下手なまんまで寧ろ安心しているとも言っていた。
『……カルマ君、何か…聞いてる?………お願い、ちょっとだけ…不安なだけだから』
「ん?中也さんならね、全然そういう経験ないって言ってたよ?俺らぐらいの年から蝶ちゃん育て始めてたし、教育に悪いからって一切そういうのしてこなかったらしいから」
カルマ君の返しに目を見開く。
あんなにかっこいいのに、意外だと思った。
あんなに素敵な人なのに、誰ともそういう関係になった事なんて、ないの?
私の、ため?
「昨日同じ事俺が聞いたらそう言ってたよ。あの人単純だから、嘘なんかつけないだろうし……仕事と蝶ちゃんで生活が成り立ってるらしいからね」
