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第6章 あたたかい場所


勝てない、こんな中也さんになんて勝てっこない。

「そうそう、こうやってすぐにへばって俺んところに来てくれんのもいいしな」

よしよしと撫でる手から、嬉しいのが伝わってくる。
私が恥ずかしがっているのがいいのか、くっついてくるのがいいのか、どっちかよく分からない。

ただ一つ言えることといえば、散々色々とされてきて今ようやく理解したこと。

中也さんは本当に、彼の言っていた通り、私が恥ずかしがったり照れたりして、中也さんに擦り寄っていくのがたまらなく好きなのだという事。

……ああ、そっか。両方か。

理解したら余計に恥ずかしくなってきた。

『…っ、中也さん本当にバカ』

「バカで結構。お前になら仕方ねえ」

『~~~!!…何ですかそれ……っ、でも中也さん…大好きだよ…私の方がもっともっと、大好き…』

中也さんの手は止まることなく私を撫で続けていて、私の言葉を受け止める。

「悪いな、俺はそれよりももっと好きだ。開き直ることにしたから、多分俺がお前にしてやられっぱなしになるっつーのは当分ねえと思うぜ」

『!…中也さんが私の事好きなら、いい……それだけで、いい』

中也さんの首元に擦り寄って、小動物のように甘える。
こうしてるのが好き。
中也さんに好きって言ってもらえるの、好き。

「……これもまあ、悪くねぇ…けど俺も、さすがに毎回そんだけじゃ止めてやれそうにねえぞ?」

『…………ん、分かってます…でも今はこうしてるの』

「お前それマジで狙って言ってねえよな?…ああ、んな事出来る程器用じゃねえな蝶は」

言ってる意味がよく分からなくて中也さんの方を見上げると、ほんのりと顔を赤くしている。

首をコテ、と傾げてみれば、中也さんの大きな手が私の頭をくしゃりと撫でる。

「こんのド天然…可愛い奴め」

『!えへへ、中也さんに撫でられるの好き…中也さんに褒められるの、好き』

「……褒めてるっつうかなんつうか…まあいい。……いやお前、まさかこのタイミングで本格的にスイッチ入っちまったのか!!?」

中也さんが声をあげるのにもニコニコと笑い返せば、中也さんが頭を抱えた。

「そうだよな、じゃねえとあんな恥ずかしがるわけねえもんな…くそ、やられた……つうかやっちまった…!!」

『あ…もっと撫でててよ…また止まった』

「可愛いから許す」

この後いっぱい甘やかされた。
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