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第6章 あたたかい場所


「大丈夫だ、人間様はんなもんじゃ死なねえように出来てる」

『じゃ、じゃあせめて帰って寝る時とかにしてっ…くださ……い?』

咄嗟に返した言葉に、自分で言ったことなのに何故か墓穴を掘ったような感覚に陥る。

見ると中也さんはさぞかし満足そうな顔をしていて、冷や汗がたらりと流れた。

「へえ、昨日寝る前にされてへばってた奴からそんなお願いをされるとはなあ?覚悟しとけよお前、言ったからな」

『……や、やっぱりまたの機会に…なんて』

「無理だな」

『ひぅっ…!?……ち、中也さんっ、ダメだよ!?』

耳元で囁かれて変な声が出た。
それを誤魔化すように反論するが、中也さんはきょとんとした顔をするだけ。

「何言ってんだよ今更?お前、されんの好きだろが?なんなら今すぐここでもっとしてやったっていいんだぜ」

『しなくていいよ!!……ッ、中也さんじゃなかったら嫌、だから……ッ、中也さんにされる事に意味があるの…!』

再び顔を埋めて言えば、おでこにキスが一つ落とされる。

これも好き、大好き。
中也さんにされるのが、好き。

「知ってる…お前は恥ずかしいだけで、いつだって俺とこういう事しときてえんだもんな?」

『違っ!!?…な、んでそんなにするのっ……バカッ、中也さんのキス魔…!!』

「キス魔って、満更でもねえ反応ばっかしてる奴が言うんじゃねえよ。お前俺にこうされて、されんの好きになってんだろが」

図星をさされて中也さんに回した腕に力が入る。

『ちゅ、やさんのせい…だからっ……!』

「ああ、そうだ。俺のせいだ…まさかキスすんのがそんなに好きになるとは思ってなかったが、俺好みに仕上がってていくらでもしてやりたくなるよ」

『!!………っ、うぁ…ッ』

遂に恥ずかしさがピークに達したのか、何も返せなくなった。
中也さん好みに仕上がっててとか、聞いただけでも恥ずかしい。

なんだか妙にいやらしく聞こえるその表現のせいで、嬉しい事なのかなんなのかさえよく分からなくなって、ただただ恥ずかしくなって顔を赤くするしかなかった。

「ほら、すぐそういう顔してくれる…まあ仕方ねえか、お前俺の事大好きらしいしなぁ」

恥ずかしさに半泣きになってしがみついていれば、中也さんはまたおでこにキスをする。

『も、ダメ……っ…』

恥ずかしさに身体に力が入らなくなり、中也さんに身体を預けた。
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