第6章 あたたかい場所
『む、んっぅ……い、異能力の濫用反対っ……んっ!!』
中也さんはカルマ君の持ってきたお皿とフォークに片手で触れて、私に手を戻すと異能を使ってデザートを丁度いい高さまで浮かべて静止させた。
そしてフォークを使って私に食べさせ、自分も食べてと交互に口に含ませる。
「…美味ぇ……俺の能力をどう使おうが自由だろ。それで蝶が可愛い反応してくれんなら、いくらでも悪用してやるさ」
『でもこれっ、ふ、フォーク!!っん、ッ』
間接キスになるのを私に見せつけるようにいちいちゆっくりと動作をするから、余計に恥ずかしい。
「お前…散々もっと恥ずかしい事しておいて何でそんな恥ずかしがるんだか……まあその方が俺の好みではあるが」
『こ、好っ!!?…んんっ、ンッ…ゥ…ッ』
一皿食べ終わったかと思えばまさかの盛り付けかけだった二皿目を用意して、今度はそれを自分の口に含んで私にキスをする。
私の支えになっているのがくしくも中也さんの腕と首元だけで、口移しなのかただ辱めているだけなのかよくわからない、甘い甘いキスに身体をビクビク反応させる。
それにしてもよく私を異能もなしに片手で抱え上げていられるものだが、やはり中也さんだからなのだろうか。
……逃げ場を作らないのも、上手い。
「…ふっ……嫌じゃねえだろ。なんなら、抵抗してみろよ」
『!…っふ、んぅッ……ッ』
中也さんに抵抗なんて出来るわけないじゃない。
どうせ、それだってわかってるんでしょう?
……これ、好き。中也さんとキスするの…中也さんに気持ちよくしてもらうの、好き。
精一杯の好きを込めて、チカラが入れられなかった腕を何とか動かして、中也さんの肩に手を置いた。
身体中がビクンビクンと大きく跳ね上がるけど、恥ずかしいけど、大好きなの。
中也さんは私が応え始めたのにすぐに気がついて、頭をよしよしと腕で包み込んで、私の頭が真っ白になって肩がビクッと大きく痙攣するまでキスをし続けた。
デザートは、とっくの前に口の中からは消えていた。
『ハ、ァッ……ッ、ンン、ッ……ぁっ……』
気持ちよさの余韻に浸ってクタッと中也さんに寄りかかり、肩で息を整えながら中也さんにしがみつく。
「ごっそうさん…片付けは明日にしておいてもう寝ようぜお姫さん」
『ぁっ…そ、そんなの、何でっ』
「あ?可愛い蝶にはピッタリだろ。美味かったよ」
