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第6章 あたたかい場所


ケーキは一個だけ樋口さんが買ってくれて、その後アイスを立原から、残りのリクエストの数々のケーキとパフェとかき氷は中也さんからいただいた。

皆して自分が自分がと、広津さんやカルマ君にまで払われかけたのだけれど、最大限中也さんが阻止をしていて、それにちょっとだけ首を傾げていた。

まあ私の甘やかし権限は中也さんが持ってるとか言ってたしと考えて、何も言わずにたっぷりと甘えさせてもらった。

カルマ君が泊まりに来て二日目の夜、私が昨日二人にご馳走するはずだったデザートを用意し始めると、お風呂上がりなのだけれど二人共えっと顔を引き攣らせる。

『昨日は結局食べ無かったですからね~、そろそろ食べなきゃ』

「蝶、お前さっき散々食って無かったか!?心なしか半分くらい俺の方にも……うぐっ、」

大量に食べた甘いものを思い出してか、中也さんが口を押さえる。

「蝶ちゃん、俺はまあ普通の量しか食べてないからまだいいとして、本当に蝶ちゃん食べてたやつ中也さんにも食べさせてなかった?結構蝶ちゃんも食べてたはずじゃ…」

『?お風呂入ったら消化したよ。あと自分で作ったデザートは別腹の別腹なの!甘いもの専用の胃袋があるんだよきっと』

るんるんとフルーツや生クリームを一緒に盛り付け始めれば、更に中也さんの顔が青くなる。

「あ、あいつマジで胃袋いくつあんだよっ…しかも食いすぎだろってくらい食ってんのに何であの体型維持してんだ……」

「ま、まあ普段の運動量とかさっきの本気の具合とか見てたら、本人の言うようにすぐに消化出来るんじゃない?…流石に胃袋は一つだよ」

『……あ、そうだ。私明日ちょっと用事で、殺せんせーと出かけたいんだった』

二人に伝えるのを忘れていてポツリと呟けば、ガバッと中也さんがこちらに寄ってきて、はあああ!!?と大きな声を出した。

私はもう慣れてるのだけれど、カルマ君は耳を塞いでいる。
まあカルマ君は薄々察しがついているようで、じゃあ夕方からは俺一人でやっとくねーと軽く返す。

「え、何で手前そんな軽く…っ、おい蝶、あの担任と!?二人で!!?」

肩をガクガクと揺らされて、手に持っていた搾りに力を入れてしまい、クリームがバッ、と私の顔に飛び出した。

『わっ…!………う、ん…っ、ちょっと買い物しに行こうと思って…………ち、中也さん手、離して?クリーム付い…ヒャ、ッ』
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