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第2章 暗闇の中で


「それにさっき聞いた通り、中也さんと離れて武装探偵社に入るまで、何かがあった。3年半も。挙句、あれだけ毎日会いたいって思ってる中也さんに、会いたくても会いに行けないんだよ。」

言葉を続ける赤羽に、中原は再び首を傾げた。

「は?話を聴いてた限り、手前はあいつと親しいみたいだから知ってんだろ、空間移動の事。」

蝶は、想像すれば、場所が分かっていなくとも目的の人物の場所に移動する事が出来るはずだ。

「知ってるよ?でも、…てかさっきから思ってたけど、ちょっと鈍感すぎない?中也さん。」

「あぁ!?どういう意味だ!?」

「いやいや、だって、ちょっと考えて分からないの?そういう能力的に…要するに物理的に行けなかったわけじゃない上、勿論中也さんには今死ぬほど会いたがっている蝶ちゃんだよ?」

赤羽の言葉で、遂に森が動き出した。
ちょっと貸したまえ、と言って中原から無線機を借り、話しかける。

「やあ、赤羽君…だったね。私は中原君の上司にあたる者だ。すまないね、うちの鈍感な部下が。」

「首領っ!!」

「どうも。よかった、ちゃんと話せそうな人がいてくれて。まあ、これは蝶ちゃんから聞いた話だから、多分もっと他に色々思う事はあるんだろうけど……怖いって言ってたよ?中也さんに忘れられてたらどうしようって。」

先程まで反抗的な態度を見せていた中原が大人しくなる。

「その点に関してはこの通り、全然覚えているよ。でもまあ、蝶ちゃんは中原君の事になると心配症だからねぇ…?」

ちらりと中原を見るも、理解していない様子の中原に「やはり君は鈍感だ。」と一言。

「ど、鈍感?俺が…、?」と一人頭を抱える中原。

「多分、本当に怖いんだと思うよ?聞けば、小さい頃から随分とお世話になってきたって話だけど、前と同じように接する事が出来るかとか考え込んでると思う。」

あと、仕事の邪魔になりたくないって言ってた。

赤羽の的確な分析に、森は少し嬉しそうな様子で、

「君、結構頭がきれるね。私も部下も皆、そうだと思うよ。中原君に関することだし、彼女にとってはかなり苦悩するところだろう。」

「うん。だから、中也さんの方から会いに行ってあげてほしいんだ。」

森も中原の部下も、皆この言葉に頷く。

その時中原は太宰との先日のやり取りを思い出していた。
ああ、確か太宰の奴もこんな事を言ってたな、
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