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第6章 あたたかい場所


「ああ!?そもそも最初にこうなる羽目になったのは…クソ、元を辿れば自業自得だった……!」

反論しようと初めてキスした日のことを思い出すも、貧血でぶっ倒れてて蝶にああさせる事になったのは自分の努力不足だと思い出して項垂れる。

「中也さんが蝶ちゃん大好きな蝶ちゃんバカで抱きつき魔で撫で魔だとは知ってたけど、その言い草じゃキス魔でもありそうだね」

「あ、あああれで抑えてたって、蝶ちゃんいつもどんな風にされて…」

「ヤベェ、幹部のスキルが凄すぎる…まさかその方面までいけるクチだとは」

「まだ言うか手前ら!?つか何で立原は地味に尊敬しかけてんだよ!あいつが一々敏感なだけだって何回も言ってんだろ!?」

カルマと樋口に関しては、絶対ぇ遠まわしに何やってんだよこいつと言っている。
間違いねえ。

蝶と同性である樋口に言われるのはまあ良いとして、カルマに関していえば完全にバカにしてやがる。

「でもどうせそれ楽しんでいじめてんでしょ?じゃないと普通初めてで…しかも前戯だけで気絶とかしないでしょ」

「言い方ってもんがあるだろ手前っ…つか蝶の奴遅すぎねえか!?あいつ上着取りに行くだけだっつってたよな!!?」

うっわ、出た親バカモード、ついでに鈍感なんてカルマが呟いて、他の奴らも口を引き攣らせてやがる。

「鈍感?……俺が?」

「あれどう見ても最後のやつに恥ずかしがって逃げただけっすよ…あいつあれで恥ずかしがり屋なんすから」

立原に言われ、スッと納得して、次第にもっと恥ずかしがらせたいだなんていう欲求が胸の中を渦巻いた。

「………可愛すぎだろあいつ、天使かよマジで。なんならやっぱもうちょっとくらい照れさせてれば良かったか」

言った直後に誰かが何かしらの反応を見せてくれるかと思ったのだが、全員の顔が少しだけ青くなる。

何やら俺の隣に目を向けていて、広津さんまで冷や汗を流している始末。

「あ?手前らどこ見て…………」

隣を見て瞬きをして、二度三度とそちらを見た。
間違いなく、うっすらとだが景色が途切れて光っている場所がある。

その光は訓練室よりも明るい自分の執務室のものであると判断するには、全く時間がかからなかった。

隙間に指を差し込んで、恐らく扉になっているであろう部分を掴んで手前に思いっきり引っ張る。

『きゃ、ッ……!?』

出てきた少女にフリーズした。
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