第6章 あたたかい場所
私が頭を真っ白にさせているのを見て、中也さんがまた口を開く。
「蝶、今日お前薬盛られてねえよな?…何でそんな感じてんだよ」
キツく閉じてビクビク震わせている脚にまた手を添えて、大きな動きで撫でられる。
それにさえ身体が反応してしまって、身体が不規則に大きく跳ねる。
『ち、中也さんの手…だから、あっ……あ、脚っ…んん!』
「へえ、俺の手がそんなに好きなのかお前…首触られただけで軽くイくくらいに感じるくれえに?」
クス、と笑って中也さんの身体が離れる。
『イく…っ?』
「………お前が前に何回か感じた、すっげえ気持ちよかったやつ。ほら、脚開いてみろ」
イくという感覚を思い出して、あそこが疼くのが自分でも分かった。
いつからこんな身体になっちゃったの?
いつから、こんないやらしいことに反応しちゃうようになっちゃったの?
脚を開けと言われても恥ずかしいものは恥ずかしくて、結局スカートを片手で押さえたまま、また前のように内股になる事しか出来なかった。
「…蝶、分かってんだろ」
『……っ、恥ず、かしい』
「恥ずかしがってんのはそれはそれでいいが…俺はお前に脚を開いてもらいてえな」
ずるい言い方。
きっとこの人は、そういう言い方をすれば私が逆らえなくなるのを知ってる。
期待に応えると、好きなようにしてと言った私が何も言えなくなるのを分かってる。
『…ん、っ……あ、んまり………見ないで、下さいっ』
スカートを押さえる手に更に力を入れて、くっつけていた膝を少しだけ離して、踵を浮かせてつま先立ちになる。
それに満足したのか中也さんは私の膝を大きく割って入ってきて、よしよしと頭を撫でる。
「上出来……いい子だ」
『そ、んなっ……ん、何………?な、んか…っ』
「!悪いっ、気にすんな」
中也さんは慌てたように身体を起こしてしまって、私から離れる。
今私が感じたものは……手に当たった熱いものは…?
今日の岡島君の写真に映っていてちらりと見たもの…そしてこれもまた、いつの日だったかにちらりと耳にした事のあるものなのだけれど、それが頭の中で筋道を立てる。
中也さんは私に必死に隠したがっているけれど、そうだよね…
『…』
「蝶?…お前、何するつもっ……!!」
身体を起こして中也さんをゆっくりと押し倒す。
私ばっかり気持ちよくなってちゃ、ダメだよね…