第6章 あたたかい場所
「えっと、殺せんせーと岡島はとりあえず次何かやらかすようなら直接中也さんがこっち来るってさ」
カルマ君が中也さんの言葉を伝達すれば、二人がひいっ!?と声を上げて震え上がる。
そしてあろう事か彼は、言わなくっても平気だったのにまた中也さんが心配するような事を中也さんに報告する。
「そういやさっき岡島、蝶ちゃんがオフショルダーなのに目ぇつけて上着脱がそうとしてたよねー…」
「え゛っ、カルマ!?」
『ちょ、カルマ君!?あれはカルマ君が何とかしてくれたし大丈夫だったんじゃっ』
しかし予想していたような中也さんの大きな声は聞こえてこず、カルマ君もそれに驚いたのか、目を見開いている。
「…うん、とりあえず阻止はしておいたよ。……岡島、次やったら覚悟しとけだってさ」
声を荒らげてないあたり、こりゃ次やらかしたら本当に命危ないね!なんて素敵な笑顔で言いながら、カルマ君は私の頭を軽く撫で始めた。
『ん…カルマ君……?』
「朝と昼とで結構教えてもらったし、多分俺一人でもやっとけるよ。…昼ご飯?食べた食べた。うん、了解、すぐ連れてってもらうね」
カルマ君が電話を切って私に微笑みかける。
倉橋ちゃんが率先して殺せんせーと岡島君を叱りつけているのが聞こえる。
「蝶ちゃん、とりあえずそそろ戻ろっか。中也さんが呼んでる」
『!うん、分かった…昨日と同じ所でいいんだよね』
「そうそう。とりあえずこっから移動しよっか」
カルマ君の言葉で倉橋ちゃん!と声をかけて、そろそろ帰るねと声を出した。
「うん、蝶ちゃん安心して!この二人は私達でちゃーんとお灸据えとくからね!!」
『あ、あはは…程々にしてあげてね?じゃ、また明日!』
カルマ君と一緒に山を降りていって、皆に見えないくらいの位置まで移動して扉を作った。
「俺訓練室で自主練しとくから…立原さんも来てくれるらしいし、気にせず中也さんと話してきなよ」
『うん…でも私が心配って、本当心配症だね中也さん』
「……うん、俺でも心配になるわ」
うん?と扉を開けて移動し、訓練室に調達したばかりの水分とタオルや体操服を置いて、もう一度扉を作る。
次に作ったのは、中也さんの執務室の扉の前に繋がるもの。
直接行ってもよかったのだけれど、一応そこにはカルマ君もいるため、ポートマフィア幹部の執務室の中を見せるのはやめておいた。