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第6章 あたたかい場所


『ち、中也さんっ…その、私にして欲しいことあったら何でも言ってくださいね!?出来るだけご期待に添えるよう頑張りますから私っ』

「「「あああああ…!!!」」」

『え?…あれっ?』

言い切った途端にその場の全員のみならず中也さんからも頭を抱える。

「ち、蝶、とりあえず落ち着け!お前それだとかなり誤解が生じるから!!」

『だ、だって中也さんさっき私に言ってましたし…っ、だから何かして欲しいのかなって』

「だあああ!!お前はそのまんまでいいんだよ何もしなくて!!いいか?今日見たようなものは全て忘れるんだ。俺はまあどんなお前でも可愛いとは思うがそれだと本当にお前、キスだけじゃ済ましてやれなくなるから!!…あ」

墓穴をほったかのような中也さんの声と、電話の向こうから何人もの男の人、そして立原のえっ、という声が聞こえた。
心なしか銀さんや樋口さんの声も聞こえていた気がする。

そうだ、中也さん今色んな人と一緒にいるんじゃない。
そんなところでどんな私でもとか…キスだけじゃ済ましてやれなくなるとか……

『ち、中也さっ……あの、そ、それは………』

「ち、違っ!!…あああああクソッ!とりあえずいらねえ心配ばっかしてんじゃねえぞ!いいな!?」

E組以外で中也さんとキスをした事があるだなんて話した事はない。
だからポートマフィアの一部の人達にその事が初めて知れ渡ってしまった上に、それだけじゃ止めれなくなってしまうと…その先をしてしまう事になると言ったのだこの人は。

『……い、いですよ』

「はっ……?…はあ!!?」

頭の中でようやく整理がついた。
キスの先がああいうところ…前に一度だけ、仕方なしにだけどあったああいうのがそうなのだとすれば。

乱歩さんの言う、中也さんが我慢している部分がそこなのならば、今までの中也さんの発言やあの雑誌が成人向けだということにも納得がいく。

『その、だからっ…』

「…お前、こっち戻ってきたらちょっと二人で話させろ。カルマは暫く一人でトレーニングさせておけばいいから」

『は、話?ですか…?』

中也さんの声がいつになく鋭いものになる。

「ああ、戻れるタイミングで出来るだけ早く執務室に来い……流石にそのままじゃお前が心配でならねえから」

『は、はい…?』

カルマ君に変わってほしいと言われて代わり、中也さんとの電話を終えた。
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