第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ
中也さんの突然の爆弾発言に、今度は私とカルマ君が吹き出した。
『か、カルマ君電話スピーカーにして!…中也さん、何で家に!?わ、私の部屋もあるんですが!!』
「あ?蝶か。お前部屋っつったって綺麗にしてんだろが?それに普段あんま使ってねえんだし、俺かお前のどっちかのベッドにカルマを寝かせりゃいいだろ」
『うえ!?…ええ!!?』
それ、何気にカルマ君一人で寝かせて私と中也さん一緒に寝る事になってない!?
確かにいつもそうだけど、いざ誰かがいるところでそんな事、恥ずかしくてとてもじゃないけど出来ないじゃないか。
あと盛大に甘えられないし、私の私物見られるの恥ずかしいし…
「え、俺がそっち行くの?しかもどっちかのベッド使うって、それじゃ中也さんか蝶ちゃんがベッド使えないんじゃ…」
「ああ、それなら気にしなくて大丈夫だぞ。俺ソファで寝るから」
『へっ?』
中也さんの思いもよらぬ発言にまた間抜けな声が出る。
「……中也さん、中也さんとこの困った子がえ、なんでって反応してるけど。一緒に寝てあげなくて大丈夫なの」
『な、っ!?』
そして心の声を全てカルマ君によって暴露され、中也さんにそれが伝わってしまった。
「ああ!?……くっ、そん時に決めてもらえばいい!!んで
とりあえず来るんなら今日からでも来い、俺も見れそうな時は見てやる!」
『ほ、ほんとに家なの!?どこか社員寮とか…そうだ!私が社員寮に行けば』
「蝶、お前一人で社員寮に寝泊まりすんなら、暗殺夏期講習と合わせて一週間程俺と寝れなくなんぞ」
中也さんの発言にピタリと止まって、ついカルマ君の携帯にずいっと顔を近づける。
『や、やだ!!!一週間も中也さん抜き生活とか私死んじゃう!!』
「お、おう、分かった分かった、んじゃ家に泊まりで決定だな…とりあえずカルマは帰って準備して、蝶に連れてきてもらえ。それで蝶は、ついでにカルマの家にいつでも移動できるよう、ついていけ」
「う、うん。じゃあ準備してからそっち行くね」
電話を切ろうとするカルマ君の手を掴んで、携帯に向かってもう一言だけ声を出す。
『帰るから!私ちゃんと家に帰りますから!!』
「ああ、待っててやるよ」
結局中也さんの方が電話を切って、無機質な音が響く。
『あ、危なかった…私カルマ君の家にお泊まり行ってても、一週間中也さん抜きだった』