第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ
『まあとにかく、私が島に行ってるうちに何か事態が動いたら、教えてもらえると助かります。後何かあったら絶対呼んでくださいね、飛んでいきますから』
「お前に助けられるような事にはならねえようにするさ、まあ毎日連絡くらいはしてやる。寂しがり屋な蝶にはそれくらいの事してやらねえとだしな」
『……うん』
中也さんのよく理解しているように、彼に対してだけは反論も出来ないほどに依存している面がある。
中也さんのいない生活なんてもう懲り懲りだ。
首元に擦り寄ってギュッとすれば、小さい子供をあやすように背中を一定のリズムで撫でられる。
「おーおー、今からこんなんじゃあお前旅行前に充電不足でバッテリー切れたとか言い出しそうだな」
『もう今切れてる。充電中』
「そうかそうか、いくらでも甘えて好きなだけくっついとけ」
『…………一生になるよ』
ギクリと中也さんが固まるのが分かる。
「それは物理的に無理だろ…もうちょいお手柔らかにいこうぜ蝶さん」
『好きなだけって言ったのに』
「お前が言うと本気でやりそうだから怖えんだよ」
なんて言いつつ、私と同じくらいにギュッとしてくれる中也さんがやっぱり好き。
『私いつだって本気だよ…?』
「……知ってる、俺も暫く離したくねえ」
意外すぎる中也さんの発言に、今度はこっちが驚いた。
『中也さんがそんな事言うなんて思わなかった』
「仕方ねえだろが。俺以外の野郎の前で蝶があんな風にされてたんだ、今すぐにでも家に連れて帰りてえくらいだよ俺は」
ドクン、と胸が大きく波打つ。
本当にこの人、手を出すのを堪えてただけだったんだ。
表にあまり出さないだけで、私の事ばかり考えてるんだ。
『…中也さん好き、中也さんが大好き』
「おう、分かってる。俺もだ」
中也さんはここ最近、私が好きだと言えば知ってる、分かってると返すようになってきた。
本当に分かってるとは思えないけど、彼の言う私と同じが同じなのかは分からないけど、ちゃんと受け止めてくれてるっていうのが分かる。
流されるよりも全然いい。
そういう風な意味だと分かってもらえなくても、ちゃんと聞いてくれるようになったって思えるから。
『今日は中也さんが充電不足…?』
「何嬉しそうにしてやがんだ」
『ううん、いつまでしときたいのかなーって』
「…もう少しこうさせてろ」