第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ
中也さんの口が少し空いた状態で塞いだため、そこからは早かった。
今回は目を瞑る事なく、ちゃんと自分から舌を入れる。
『……っ、んぁ…』
中也さんの舌を探し当ててそこに添わせれば、唾液に混ざった血液がサラサラと中也さんの口に移動する。
中也さんが喉を鳴らして飲み込んだのを確認し、それから唇を離す。
「はっ……おまっ、いつの間に血出して…………まあいい、お前はやっぱりこのへんのことに関しちゃ、学習能力が足りねえらしいな」
『学習能りょ……ふぁ、っ!?ぁ、んんっ…!!』
すぐに中也さんに後頭部を押さえられて逃げられないようにされ、キスをされる。
最初から遠慮もなしに入ってきた舌に口内をなぞられながら、足に力が入らなくなって崩れ落ちた。
『ぁっ…ケホッ、ケホ……ハ…ハァ……』
「本当、敏感な奴…」
『ち、中也さんっ、何で……あ、アッ…ふあぁっ……』
リップ音やいやらしい水音を立てながら、容赦なく私の口内を舌で撫で回す中也さん。
されているばかりじゃ嫌になって、前に中也さんの指に舌を添わせたことを思い出し、それと同じように彼の舌に自分のそれを添わせてみた。
『っあ、あぁっ…』
すると中也さんの動きがピタリと止まって、舌同士がくっついたまま、ねっとりと舐めあげられた。
「はっ、…………っ、お前、するようになりやがったな。随分と余裕に…蝶?」
今度は中也さんの方から、私の口の中で混ぜに混ぜられた唾液が全て流し込まれる。
それをまたコク、とゆっくり何回かに分けて飲もうとすれば、中也さんが顔を覗き込んでくる。
その目に見られるのがとてつもなく恥ずかしいのに、目をそらすことが出来なかった。
唾液に、中也さんの瞳に、喉が、身体が、感じさせられる。
喉を通る度、ゾワゾワする。
「…………いい顔するじゃねえか」
飲みきったタイミングを見計らってか、また中也さんから口を塞がれる。
今度はリップ音を立てて何回も角度を変え、触れるだけのキスをたくさん落とされた。
『ん、っ……ぅ…………っは、ぁ…っ』
息を深く吸おうと肩で息をして、中也さんの胸に掴まってしがみつく。
身体に力が入れられなくて中也さんに体重をかけてしまっているけれど、中也さんはそれにぐらつくどころか両手で私を包み込んだ。
「俺はする方が好きなんだっつったろ……可愛い事してくれんぜ全く…」