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第2章 暗闇の中で


イリーナ先生、烏間先生と一緒に座っていて、何かが足りないことに気がついた。
だが、その何かが何なのか、分からない。

『あの、先生方。何か足りないと思いません?』

首を傾げて、「何か、……確かに何か足りないわね。」と考えるイリーナ先生。
烏間先生も少し考えている様子。

「……あ、あれじゃないか?」

そして、指でその答えを教えてくれた。
先生の指さす方向を見ると、私以外の班員のいる席の窓。

ん、窓?

「うわああああ!?何で張り付いてんの殺せんせー!!」

途端、響き渡った潮田くんの叫び。
窓に張り付いていたのは、足りなかった何かだった。

『あ!殺せんせーだ!』
「あいつ、見かけないなと思っていたら…」

溜息をついて頭を抱える烏間先生。
なんだろう、こう…日頃の国木田さんを見てる気分。

潮田くん達の会話を聞いていたところ、どうやら準備に手間取って、乗り遅れてしまったらしい。
そして、次の駅まで外に張り付いてついてくるとかなんとか。

「国家機密が外から丸見えでいいの!?」
「大丈夫です、保護色にしてあるので…周りからは服と荷物が張り付いてるように見えるだけですね。」

いやいや、おかしくないですかそれは。
そして、平然と会話聞こえてきたから普通に聞き流してたけど、そもそもどうして窓の外と内とで普通に会話できてんの貴方達。

『烏間先生。あれ、やっぱ外に出られてると何かと問題ですよね?』

「ああ。……頼めるか?」

烏間先生は、立ち上がって広めのスペースを作った。
やってくれということだろう。

『はい、任せてください。殺せんせーが見えたので、大丈夫ですよ。』

潮田くん達との会話のキリが良さそうなところを見計らって、空間移動で、烏間先生の作ってくれたスペースの大気と殺せんせーを入れ替えた。

「え、殺せんせー!!?」周りの皆は、突然窓から消えた殺せんせーに動揺し、窓の外を探している。

私の目の前で「いやあ、疲れました…なんとか助かりましたねぇ。」と疲弊している殺せんせー本人。

皆はこちらを向いて、各々吃驚したリアクションを見せる。

「マッハ20すげぇ…」なんて声も聞こえるが、カルマ君はどうやら仕掛けが分かったみたいで、私の方を見ている。

皆が顔を見合わせてこっちを向いてない時に、カルマ君に向かって、人差し指で『しー、…』とジェスチャーした。
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