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第2章 暗闇の中で


現在、京都に向かう電車の中で、クラスの皆はそれぞれの班で、それぞれ好きな事をして盛り上がっていた。

人数の問題で、私の班は、私が先生達と同じ席に座ることになった。
同じ部屋でお世話になるイリーナ先生のところだから、丁度良かったといえば丁度よかったのだけれど。

「あら?あんた、それ…」

イリーナ先生に指さされたのは、太宰さんから預かった無線機。
こんなに小さいの、よく気付いたな。流石はプロの暗殺者だ。

『ああ、知り合いに、何かあった時に連絡が取れるようにと渡されたんですよ。』

少し言葉は足りないが、嘘はついていない。

しかし私は、イリーナ先生から返ってきた言葉に困惑する事になる。

「え、?いや、それ…盗聴機能と、“発信機”付いてない?」

『ええ!?発信機だなんて聞いてな……!!!あの人、何で私に発信機なんか、』

寧ろ、発信機なら太宰さんに付ける方が正しい使い道じゃないかと考えた。
しかしその後、奇妙な事に気が付く。

『あ、れ…?』

発信機って事は、私の行動や居場所がバレるということ。

もしかして、また前みたいに乗り込んでくる気!?

一人葛藤していたら烏間先生とイリーナ先生に凄い顔を向けられたので、とりあえず無理矢理落ち着いた。

しかし、それくらいしか思い付かない私は、太宰さんが現れた時に全力で他人のフリを出来るよう考える事にした。



後にカルマ君に聞いたところによると、その時の私は、誰がどう見ても異様な程の殺気を大気に放出しながら、ただただ真顔で何かをブツブツ呟いていたらしい。

それは流石に私でも怖いわ。

まあ、時すでに遅し、なんだけれど。
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