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第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ


『んっ…ぅ、…………っ!』

「っ、は……っ、…ハァッ、」

肩で大きく息をしながらも何とか息を整えようとする中也さんの様子を見て…そして彼の手に柔らかく押さえつけられる肩の感触で、理解した。

中也さんに、離された。

『…………ダメ、っ…?私じゃ、ダメ?』

とてつもない悔しさが、どうしてという思いが胸の奥から溢れてやまない。
中也さんからはしてくれたけど、やっぱり中也さんからのキスには、“そういう意味”は無かったってこと?

私が中也さんの唇を奪うのは、許されない事なの?

「お、前っ…!いきなり何でこんなっ……ダメだとかお前じゃあとか以前に全然話が分からなくて…………おい蝶っ!」

私だって分からないよ。
途中で離しちゃったのに、なんでダメじゃないなんて言うの。

全然話が分からないのは、私だって同じだよ。

『…中也さんがしてくれるの、すっごく嬉しかった。もっともっと中也さんの事大好きにさせられた。……最近中也さんからくっついてくれるのも、私の事褒めてくれるのも、可愛いって言われるのも、全部っ…』

これだけ私が伝えても、中也さんは目を見開くばかり。

中也さんが私の事大事にしてくれてるなんて分かってる。
でも、大事にしてるのは前からじゃない。

『大事にしてるってだけで、今までこんなこと…なかったじゃないっ……!』

どうしようもない私の気持ちを向けて中也さんに八つ当たりしてるなんて分かってる。

『中也さんが何でこんなにしてくれるのか、分かんないよ……私、中也さんがどう思ってくれてるのか、全然分かんないよ…………』

肩、手、どけて?
そしたら、今なら好きなだけ、思うがままに身体が動かせるのに。

「……ああそうだな、お前は何も分かってねえ」

中也さんの少し低くなった声に身体がビクリと震えた。

「だがそれは、まだもう暫く分かってもらえねえ方が助かるんだ。…でも俺はお前が好きだから、そうやってお前の事を困惑させちまうんだが…………いいか蝶、とりあえずこれだけは覚えとけ」

それって結局、私に隠してる思う事がやっぱりあるんじゃないの。
反論しようとも思ったけど中也さんの言葉の続きを待とうと目を逸らしたその瞬間。

『……っ、ん……!!…っ』

彼の方から、思いもよらぬ口付けがおとされた。

「……お前からされんのより、自分からする方が好きなんだよ俺は」
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