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第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ


『そんな、まさか。だっていくら好きって言っても、全然気付く素振りなんて見せてもくれないんですよ』

トウェインさんの言う思い入れというものが、恋愛感情としての好きというものを意味しているというのは何となくだが分かる。
そして私は、トウェインさんの今日の話を聞いていて、もしかして…なんて思ったりもしてしまっていた。

でも、違うはずなんだ。
中也さんが私の事をそう見てくれているだなんて、そんなこと…

「それでも僕は、悔しい事に想う事でさえあの男に勝てる気がしないよ。まあ蝶ちゃんにプロポーズしながら恋愛相談に乗るなんて変な話だと思うけど、いつでも何かあったら僕は聞くからね」

『トウェインさんが勝てる気がしないって…でもやっぱり、中也さんはそういう目じゃ見てないと思うんだよなぁ。……早速相談。どうすれば、確認出来ると思う?』

我ながら馬鹿げた相談だと思う。
そして、酷いことをしているとも思う。

だけどあの人と同じ年の…同じようなことを言うトウェインさんに特別聞きたいと思うのは、当然でしょう?

「確認って!!…蝶ちゃんじゃ恥ずかしくて出来ないと思うけど、自分からキスでもしてみるとか?好きでキスがしたかっただけで、それに応えてくれれば脈があるんじゃないかなとは思うけどね」

男って意外と単純なんだよ、とトウェインさんは笑っている。

『…………キスだけで分かってくれるのかな』

「キスだけでって…それでも分かってもらえないようなら、流石にそれ以上相手を刺激しない方がいいよ。じゃないと僕、蝶ちゃんにまだ教えない方がいいような事教える事になっちゃうから」

キス…キスなら、中也さんからされたばかりだ。
仮に私からしてみたとして、きっと中也さんは拒まない。

だって恋愛感情なんて抜きにしても、本人が言うようにあの人は私の事が好きだから。
もしかしたら、ただのスキンシップくらいにしか思われないかもしれない。

『教えない方がいいような事?』

「……ダメだよ、それはあの男に教えてもらいなさい。好きな人以外からされてそれ程に辛いことなんてないんだから」

『…………それ、もしかしたら知ってるかもしれない』

呟きが聞こえたのか、トウェインさんは目を見開く。

だって、中也さん言ってたもの。
必死になって、嫌な事をするかもしれないって。

すっごい恥ずかしいの、知ってるから。
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