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第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ


「まあ、こればっかりは仕方ねえ…本当、こういう時に幹部っつう役職さえなけりゃってつくづく思うがな」

『ダメだよ、中也さんがいないと、ポートマフィアも困っちゃう』

「一番俺の事独占したいのはお前じゃねえのかよ」

もう片方の手で頭も撫でられて、心地良さに頬が緩んだ。

『バレてました?』

「半分は俺の願望だったがな」

中也さん、私に甘えられるの…私を甘やかすのが好きだって豪語してたりしたっけ。

甘やかしがいきすぎて心配性すぎるところはどうかとも思うけど、それでもやっぱり大好き。
私の事こんなに分かってて…自分の事もちゃんと言ってくれる中也さんが、どうしようもなく好き。

『やった、中也さんが私の事で頭いっぱいになってる』

「ああ!?お前なんて事言って…!!」

えへへ、と、からかうように言ったのさえ少し恥ずかしかったのを誤魔化せば、中也さんの顔が耳元に近付いてきた。

耳に中也さんの髪があたって肩を跳ねさせれば、中也さんの楽しそうな声が聞こえる。

「…俺の頭ん中はいつだってお前の事ばかり考えてるが、その変は気付いてなかったか?恥ずかしがり屋の蝶さんよぉ」

『なっ…!!』

予想外の中也さんの返しに驚き半分、更に募る恥ずかしさが半分。
いつも私の事を考えているという事にとてつもなく照れたのと、私が恥ずかしいのを隠してた事をあてられて心臓が飛び出そうになったのとで私の余裕はなくなった。

「俺をからかうだなんていい度胸じゃねえか。いいぜ、お前が満足するまでお前の事事細かに説明していってやっから覚悟し『もういい!もういいからあ!!』お前本当わかりやすいよな」

『…中也さんにくらいだもん』

「ちげえよ、俺が蝶の事に誰よりも詳しいだけだ。…いつも考えてるからな」

ニヤリと効果音がつきそうなほど楽しげに言い足す彼の腰を、思いっきり腕で締め付ける。
痛いくらいに全力で締めてるはずなのに、今回は中也さんが慌てる様子は全くない。

「ははっ、誰が相手だと思ってやがる。そんだけ照れてんのもいいが、これだと俺からすりゃあお前が必死こいてくっつきに来てるくらいにしか感じねえよ」

『へ、っ!?…嘘、だって中也さん前はちょっとくらい』

中也さんに腕を掴まれ、彼の膝の上で仰向けにされる。

「前って俺が今のお前くらいだった時の話だろ?流石に何年も鍛え続けてりゃこうなるさ」
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