第2章 暗闇の中で
お昼休みも終わり、また暗殺計画を考え始める。
そろそろ形になってきたのか、どの班もそれぞれの行動ルートをプリントに記載し始めた。
「ねぇ、蝶ちゃん。昨日のあの男の人も、ボディガードなの?」
そろそろ終わりそう、と思ったところで蒸し返された、太宰さん。
神崎ちゃん、なかなかのところをつっこんできたね。
『えーっと…まあ、そんな感じなんだけど、あの人はただの変人として扱ってくれて大丈夫だよ。』
「あー…昨日、結局私たちが帰るときも、外で蹲ってシクシク言ってたもんなぁ、」
苦笑するカエデちゃんに、拗ねてるだけだから気にせず無視して正解だよと伝えると、班員皆が苦笑していた。
「でもあれだな。意外だったけど、白石があんだけ熱く語ってただなんて、中也さんとやらの事がよっぽど好きなんだな!」
そして落とされた爆弾発言。
一瞬で私の笑顔は消え去った。
『さっさと清書しちゃおっか皆?』
そう言いつつも、目では犯人の杉野くんを捉え、真顔で話題を無理矢理逸らした。
「あ、あははは、は…」
行動ルートを書き終えると、全て烏間先生に提出し、そのコピーが私にもく手渡される。
「今回は念のため、何かが起こっても我々教師が対応不可能な場合のみ白石さんに動いて貰うようお願いしている。その為、行動ルートを白石さんにも渡してあるから、何か変更点があれば必ず、俺と白石さんの二人に伝えるようにしてくれ。」
いよいよ護衛任務らしい発言が出てきたな。
まあ、何も無いのが一番なんだけどね。
「そして明日、白石さんには全ての班の行動ルートを下見して回ってもらうため、京都に行ってもらう。だから、出来るならば変更は今日中を締切にしようと思っているので、よろしく頼む。」
皆私の方を見て、先に京都に行けていいなと言う。
そして、3日後が修学旅行なのにも関わらずハードなスケジュールだとも言われた。
少し笑って誤魔化しはしたが、あれだけ資料で京都の事を調べたのだ。私の能力さえあれば、移動時間なんて無いにも等しい。
『まあ、ちゃんと当日、どこでも駆けつけられるようにしておきますよ。』
「本当にありがとう。ただ、明後日は必ず来てくれ。何やら、あいつがしおりを作っているようだからな。」
烏間先生の指さした方向には、妙に似合ってる舞妓さんの格好をして浮かれている殺せんせーがいた。