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第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ


教室に戻って穴を開けてしまったところにブルーシートを張って、仮の壁を作る。

『お騒がせしました…!校舎にまで被害を出すつもりは無かったんですけど……』

大きな音で駆けつけていたらしい烏間先生と、殺せんせーに向かって頭を下げる。

「い、いや…もし君が相手の攻撃の威力を削ってくれていなければ、もっと多くの被害が出ていただろう。寧ろ感謝している」

違うのに、私が持ってきた種なのに。

『…でも私、やっぱり来ない方がいいかもしれません。もっと大勢から攻められたら』

「白石さん」

殺せんせーに制される。

「自分一人で抱え込むのは、良くないですよ。それに白石さんがここにいなくたって、敵はここを襲う時は襲います。そんな可能性があるんですから、寧ろいていただいた方が助かります」

『……はい。それなら』

少しだけ頷いて、下を向いた。
トウェインさんのさっきの攻撃、ヒヤリとした。
あれがスキルなのか異能なのかは分からないけれど、組合というのはやはりなかなか強いらしい。

「白石さん、俺から質問がある。さっきの男に、何を使った?」

クラスの子達も大半が気になっていただろう。
しかし烏間先生の聞いているものは、今回私が戦闘中に使った能力全ての事を指している。

校舎の外であったことも含めて、だ。

『…今回だけは見逃していただけませんか?あの人これからちょこちょこ来るとか言ってましたし、その度呼んでちゃお仕事の邪魔しちゃいますから』

呼ぶというのは中也さんの事。

「それは…今回白石さんが怪我をしていなかったから聞くが、次は分からないからな。」

『!はい、ありがとうございますっ』

烏間先生と殺せんせーとの話が一段落したところで、クラス中から私に話しかけてくる。

「白石、あいつに保健室で何かされなかったか!?」
「ていうかいきなり蝶ちゃんの唇奪うなんて!!」
「あの人に殴りかからなかった俺褒めてほしいなあ、次会ったら手出しそうだけど」

なんてみんなして掘り返してくる。
そっか、口にされちゃったんだ。

『…うん、大丈夫だよ。それにあの人、私の会社の敵ってだけで、それが無ければ普通にいい人そうだったから』

「で、でも!」

皆の言いたい事は分かってる。
敢えて名前を出さないでいてくれたのだろう。

『大丈夫だって。…初めてじゃないし』

漏らした一言が波紋を呼ぶ
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