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第5章 新しい仲間と新しい敵と...ⅲ


『……〜〜〜!!!』

力いっぱいその人の胸板を押して跳ね除ける。

「うわっ!?いったぁ…ちょっと、僕かなり本気なんだけ………ど…」

唇を腕で何回も擦って、唇から血が少し垂れる。
こんなの全然いい、どうせすぐに治るんだから。

そんな事よりも、大変な事が起こっている。

「……ちょっとちょっと!あんた誰ですか!?うちの蝶ちゃんになにしてんの!!?」

「いきなり白石が吹き飛ばされてきたかと思えばキスだって!?何しやがるてめええ!!白石の純潔を返せええ!!」

クラス中から野次の声が沸き上がるが、対して私の頭は至極冷静だった。

…キス、された。
中也さん以外の人から?

唇に……?

考えただけでもそれが胸の奥から溢れ出しそうに、悔しくて、情けなくて。

「蝶ちゃ…っ!……お兄さんなんて事してくれてんのさ?いきなり出てきた挙句に、蝶ちゃん可愛いのは分かるけど、泣かせる事ないんじゃない?」

『!!…私、泣いて……?』

指を目尻にあてれば、確かにそこからは水分がしみ出ていた。

「……ごめんね、日本の女の子はキスってかなり大切なものだったんだっけ…泣かせちゃうつもりなんてなかったんだけど。でもどうだい、やっぱり組合には入らない?入らないっていうんなら、こんな事した後になんだけど、やっぱ力ずくでって事になるよね」

力ずくで連れて行く?
私から唇を奪った挙句、中也さんに会わせないで連れて行くですって?

『ねえ、ちょっとさ、言いたい事言いますね。まず一つ、私は組合に入りません。』

立ち上がって、二丁の銃に入っていた実弾を取り出す。

『二つ、さっきも言ったけど私、好きな人いますから。もうこういう事しないで下さい』

そして弾を空中に無造作に投げ上げる。

『そして三つ………この教室に危害を加えるような真似、私は絶対に許しません』

投げ上げた弾が私の目線に落ちてきた瞬間に片手で銃の形を作って、手で撃つフリをしながら弾を飛ばした。

刹那、目の前の人の四肢…そして主に腕と太股から、鮮血が流れる。

「ぐっ…!?なんだ、これ…っ、まるで何も見えなかったのに!!」

蹲るその人の元に歩いて行き、見下すように睨みつけ、殺気を飛ばす。

『見えなかった?ああ、まあそうですよね……だって、あなたと私の間に弾丸なんて無かったんですから』

男の人の顔がみるみる青くなっていく
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