第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『男の子ってやっぱりそういうの気になるところ?』
「ああ、いや…何か最近、段々強さの基準が分かんねえようになってきたっていうか」
近くにいた三村君に聞けば、私の銃撃や受け身、防御術などが化物じみてるとかで、私の仲間が全員こんな人達なのかと聞きたかったらしい。
「ああ、成程。うーん…まあ分野にもよるかなあ。僕や太宰さんなんかははどっちかというと、戦闘より情報収集とか調査とかが多めだし。国木田さんなんかは武道が凄いし銃の腕もいいから、戦闘する事が多いよ」
「分野…ああそうか、依頼されてから動くんでしたっけ」
千葉君が冷静に分析すれば、谷崎さんはそうと言って続ける。
「まあでも、情けない事に蝶ちゃん強いし頭良いからね。体術でだって、そこを極めてるような人でもない限りやられる事なんてないよ。それ以外に関しては、僕や国木田さん…太宰さんだって敵わないようなものばかりじゃないかなぁ」
『ちょ、谷崎さん言い過ぎですって!尾ひれ付けすぎですから!』
能力の事もあるからそう言ってくれるのだろうけれど、それでも褒めすぎだ。
谷崎さんと国木田さんと太宰さんが敵わないだなんて、そんなわけない。
「え?でも蝶ちゃん、まだ入社して半年なのに国家機密級の任務に推薦されてるでしょ?あれ、年齢を気にせずとも社員皆が蝶ちゃんが一番安心だからって事で決定したんだよ」
「「「半年で国家機密級!?」」」
皆が揃って反応する。
改めて考えると中々すごい…のかな。
話を知っていたはずのカルマ君と前原君と磯貝君も、口を開けて驚いている。
『一番安心って…でも今日だって来てもらっちゃいましたし、私この前も肋やられちゃいましたよ?』
「ああ、太宰さんから軽く聞いてるよ。でも、蝶ちゃんまだここじゃ本気出せないんでしょ?仕方ないよ、女の子なんだし…それに君が本気を出せるようにさえなれば、それこそ社員の誰も敵わないよ」
本気、と谷崎さんは言うが、それはきっと能力の事。
それに反応した子達があれで本気じゃねえのかよ!?とか不調だったのにあんな!?なんて驚いているが、逆に言えば私が能力を使いさえすれば、この子達を危ない目に遭わせず済んだということ。
『持ち上げすぎですよ、谷崎さん?……まあでも、殺せんせー。次から何かあったら、そろそろ私も使いますから。烏間先生にも伝言お願いしますね』
