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第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ


「トラウマ…かなりのって」

「い、いったいどうして…」

「はいはい!教えられるのはここまでだよ諸君!…余りこの子に、怖い事を思い出させないであげてくれたまえ」

太宰さんの優しい声が柔らかく響いた。
私、この人にも助けてもらってばかりだ。

おかげで色んな人に出会えて、仲間が出来て…この学校に来る事だって出来た。

「あ、そうだな、悪い…」
「でもそれで水着がいらないって言ってたのね、それなら仕方ないかぁ」

私の水着の話に勢い良く食らいついたのは太宰さん。

「なっ!?蝶ちゃん、水着買おうか!着てくれるだけでもいい、夏の風物詩が……!!」

あれ、一瞬にして有難みが物凄く薄れたような…

『…………国木田さん』

「ああ。太宰、貴様相当俺に殴られたいらしいな?」

太宰さんから手を離して、国木田さんが太宰さんの襟を掴む。

「えっ?ちょ、まって国木田君!タンマタンっ……あああ蝶ちゃん、待っててね!国木田君を撒いたらすぐに行くかっ、ら!!」

鳩尾に蹴りを入れられて、太宰さんは気絶した。

「白石、こいつはもう連れて帰る。待たなくていい」

「え、あの国木田さん、僕は!?」

「谷崎は…ああすまんが白石、そっちが落ち着いてからでいいから、こちらに送ってくれないか?」

一人慌てる谷崎さんを少し可愛く思いつつも、ちゃっかりと国木田さんの命に従う。

『はい、任せてください。』

「ええ、蝶ちゃんまで!?」

言ってる内に、国木田さんは太宰さんを引きずってどこかへ歩いていってしまった。
あんな調子の太宰さんだったけど、お陰様でか怖い気持ちはどこかに消えていた。

「あ、あの…白石っ『いいから。次しないなら、いい』……そうか」

もう謝っちゃダメだよ、さっき頭まで下げてくれたんだから。

寺坂君を無理矢理制して、とりあえずは仲直りのような形で落ち着かせた。

「えっと、谷崎さんだっけ?質問いいですか?」

「えっ、僕?僕なんかで答えられることなら、なんでもいいよ」

ニコリと優しく微笑んで、質問を投げた子の方を向く。
谷崎さんってほんと人がいいよなあ、初対面の時もすっごい優しかったっけ。

「谷崎さんも太宰さんも、さっきいた国木田さんって人も蝶ちゃん
と同じところに所属する人って聞いたけど、誰が一番強いのかなーなんて…」

質問をしたのは何人かの男の子達だった。
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