第2章 暗闇の中で
それからは、散々な事ばかりだった。
「で?その人の事まだ好きなの?」
「ど、どういう関係なのその人と!?」
等と女のコ達に質問責めを受け、
「そんなぁああ!俺らの希望の光がぁ、!!」
「嘘だ、嘘だって言ってくれぇええ!!」
と、一部の変態という名の男の子達の悲痛な叫び声。
そして何より厄介なのが__
「ヌフフ、白石さんも青春してますねぇ~」
「蝶ちゃん、ホンット大好きだもんね~?ちゅ『わぁあああ!!ホントにやめて!?殺せんせーとカルマ君!!』えー何のことー?」
この二人(?)だ。
「いいじゃん別にバレたって。減るもんじゃないし。」
『減るもんじゃないとかじゃないの!もうカルマ君嫌い、本っ当に嫌い!』
「あはは、そんなに照れないでよ。え、そんなにバレルの嫌なの?ちゅ『ああ~~!!!』…その人の事嫌いなの?」
痛いところを突かれた。
そんな発言には、反射的に言葉を返してしまうというのに。
『そんなわけないでしょう!?バカにしないでくれる?世界…いや、この世でたった一人の、大好きな人なんだから!!』
「へえ、そうなんだ。やっぱ大好きじゃん、“中也さん”」
『当たり前でしょ!絶対誰にも渡さないんだか…ら、?』
そこまで言って初めて気付いた。
クラス中の人が私を凝視している。
それどころか、さっきまで楽しそうに私を弄っていたカルマ君までもがこちらをすごい顔で見ていた。
あまりにも想像していない性格が出てきたから?
確かにちょっと取り乱しはしたけど…
「絶対誰にも渡さない、ね。いやぁ本っ当、蝶ちゃんは中也の事が大好きだねぇ?本当、あいつだなんて癪だけど!!」
突然、ここに響いてはいけないはずのハイテンションな声が響いた。
嘘でしょ、なんでここにいるんですか。
冷や汗をかきながらも後ろを振り向いた。
『!!何でここにいるんですか太宰さん!?今、ここ、学校!分かります!?』
成程、これでカルマ君まで驚いてたのか。
「いやあ、私への愛の言葉が聞こえた気がして。」
『なっ…、私が中也さん以外の人に愛の言葉なんて、言うわけがないでしょう!!?』
「うん、それが聞きたかっただけ。」
え、それ?
太宰さんの手元を見ると、ボイスレコーダーが…
え、ボイスレコーダー?
『!?……えっと、それは何のつもりなんですか?』