第2章 暗闇の中で
「全部って…全部じゃん!!」
「カルマ以外にもバケモンが!!?」
『…ほら、カルマ君。続き、』
とりあえず、脱線した話を元に戻そう。
「ああ……ほら、殺せんせーが、俺の進度に合わせて余計なとこまで教えたからだよ。それでなんともなかったわけなんだけど__この教室ホントに出ていく気?しっぽ巻いて逃げちゃうの?」
『それって結局、私達に殺されるのが怖かっただけ何じゃないんですか?』
カルマ君に便乗して挑発し、丁度隣にいた前原君を肘で小突いた。
前原君は分かってくれたようだ。
「…なーんだ!先生怖かったのか。それならそうって早くいえばよかったのに!」
その声に便乗して、皆で挑発をつづけていると、見事に殺せんせーは引っかかった。
「に、逃げるんじゃありません!!逃げるわけがない!!」
『ならどーするんですか?』
「にゅ!?…き、期末テストでアイツらに倍返しです!リベンジですよ!」
よし、上手くいった。
カルマ君を見ると、いつかの私のように、口パクでありがとうと言っているようだった。
返事の代わりに笑顔で返した。
そして、さっき先陣をきって挑発に便乗してくれた前原君も見てみる。
『……よかった、元の調子に戻ってる。』
E組の校舎へつくまでの暗い顔。
会話をした事もあってか、特にショックを受けてる印象があったから少し心配だったけど。
次に聞こえたのは、殺せんせーの声。
「さあさあ皆さん!とりあえず、中間テストお疲れ様です。なので……中間テストが終わったということは、今度は何があるか、分かりますか?」
殺せんせーの質問に、皆首を傾げていた。
ただ一人を除いて。
「はいはいはーい!修学旅行!!」
元気よく答えたのは、茅野ちゃん。
あれ、でもまって。さっき修学旅行って言った?
『修学旅行?どこに行くの?』
「白石さんは知りませんでしたねぇ…行先は、京都です!皆さん、修学旅行の班を、男女3人ずつ、六人構成で決めておいて下さい!決定したら、学級委員の磯貝くんか片岡さんに伝えてくださいね。」
京都……京都って、あの近畿地方の京都で間違いないよね?
「あ、白石さん!同じ班にならない?」
誘ってくれたのは茅野ちゃん。
嬉しいお誘いだ。
でも、一つ問題がある。
『ありがとう。でもまだ返事は出来ないかな…私、修学旅行行けないかもしれないから。』