第27章 飢えて枯れてなくなった
血が繋がっているレベルにならなければ、ここまで酷似した斬魄刀は普通生まれない。
生前の私の家は、所謂名家というものであったらしく、知らなかっただけで私には三人の兄がいた。
長男は跡継ぎとして、既に事業を展開するため別の場所に住んでいた。
三男は学生…私の記憶に残る、例の兄がそれになる。
そして、次男…名前は分からなかったが、その人は病弱な人だったらしい。
そして、私が生まれたことを唯一喜んでくれた人だった…その事実を知ったのは、皮肉にも私が捩摺を彼に突き刺したその時だった。
他に、誰がいた?
誰が、こんな厄介者を…
『…自分の能力もあいまって厄介でしたよ、屈服させるの。その分仕事しなさいよね?捩摺??』
「無茶言うな、俺はこっち相手してんだから自力でなんとかしやがれ!!しかも卍解中にそっちの名前使ってんじゃねえよ!?」
『いいじゃない、捩花って呼ぶのは海燕さんの仕事なんだから』
「……チッ!!仕方ねえから呼ばせてやるよ!!!」
かーわいい。
絶対言ってやんないけど。
ここでそろそろ二代目がまた攻撃を始めたので、とりあえずは大人しくさせる策を練る。
『縛り紅姫、獄捩花!!』
「!!!!?」
元々の紅姫の能力で縛り付け、巨大な逆巻く水の檻の中に封じ込める。
当たった触手は弾け飛び、ダメージもある様子。
しかし、その檻の隙間から伸ばした触手で、まだエネルギー砲を撃とうとする。
そのため、そこを容赦なく切り落としていくのだが、ここで問題が生じてしまった。
「……水があったら先生も近付けないなぁ、なーんて…」
『…殺せんせーのポンコツ』
「仕方ないでしょう!!?先生のせいじゃないもん!!!」
可愛くないわ。
言わないでいてあげるけど。
中也の戦闘が危なそうになればそちらの位置を移動させ、という戦闘だからこの方が圧倒的に安全なのだが…しかし二代目は、殺せんせー自身の手で殺させなければならない。
『じゃ、檻解きますよ?パワーで拘束解けると思うんで気をつけて!!』
「了解で…にゅやあああ!!!!?」
檻を解除した瞬間、拘束が引きちぎられて破片が飛んできた。
となると、有効な手立てとして、私が直接手を下さないで済むものといえば…
『…六杖光牢!!!』
「!詠唱破棄…!?」
「これならいけます、先生そういうの待ってました!!!」
