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第27章 飢えて枯れてなくなった


『中也がここまで来ていたという事は、ここの様子は機密にされるということ……其方にも、妾を世間に晒したくない理由ならたくさんあるじゃろう…?』

かなり負担になっているといえばそうである…が、今恐らく、喜助さんが尸魂界にいるのだろう。

霊力が、絶えず供給され続けている。
それも莫大な量が、だ。

捩摺を能力で手に取れば、それを使って柳沢を切りつける。

そして相手の手から逃れ、柳沢を見据えてもう一つの斬魄刀を手に取った。

「……二刀流…、?」

『…妾の力が戻っていたのが貴様の誤算じゃな?柳沢……啼け、紅姫…!!!』

直刀に変形した刀が、血を流す。
もちろん戦闘に持ち込むのもいい。

しかし、この限られた…しかも私個人が一方的に不利になる環境で、何日も戦い続けるのは無理がある。

それならば、まずは“環境を変えなくては”。

「まて、何をするつもりだ…なんだ、その能力は!!?」

『貴様には分からなくても良い事じゃ…』

____観音開き、紅姫改メ…

自身で使用する卍解はいつぶりのことだろうか。

空が…雲が、割れる。
顕現する仮の大きな肉体に、意思を伝えて能力を発動する。

まずはこの環境から。
私の能力を扱いにくくする粒子を侵入させないよう、檻の数センチ手前までの空間に結界を作る。

そして次に、私の身体の…酷使し続けていた核の完全な修復作業に入っていく。

「…何をしているか知らんが、そんなことをさせると思…ッ!!?」

『誰が動いて良いと言った?…案ずるな、貴様を殺すのは妾の仕事ではない』

自分の身体を修復しつつ、もうひとつ。
生み出していくのは、“道”。

なのだが、どうやらそこで邪魔な者が入ってきたらしい。
咄嗟に捩摺を始解して、振り下ろされる攻撃を受ける。

速すぎて、目で認識するのにラグが起こったほど。
これは…また厄介な相手だ。

「おお、二代目!!!来てくれたか…」

『…こんなのと手なんか組んでたんだ。哀れね』

元の面影を残しもしていないからだ。
肉体が触手に変貌しているのも見受けられるほど。

そして、驚異的なスピードとパワー…一人じゃ分が悪そうだ。

『……っ、ごめん、さっき一回無理矢理切っちゃったけど…いける、?』

___誰に言ってんだよ、お前に呼ばれて行かなかった時が一度でもあったか?…呼べ!!

『!…っ、捩摺!!!!』
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