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第27章 飢えて枯れてなくなった


国。
そう聞いて真っ先に脳裏を過ぎったのは、烏間さん。

太宰との電話を切って、外に出てポートマフィアの拠点へ向かいながら、烏間さんに連絡する。

すると、かけ始めてすぐに電話は取られた。

「中原さん…?どうしたんだ。すまないが、慌ただしくて…あまり時間は取れそうにない。今、政府の進行させていた最終暗殺計画が実行に移されたところで…」

最終暗殺計画、確かに烏間さんはそう言った。
メディアでも取り上げられ始め、東京や現場では既に騒ぎになっている。

「そ、ういう…ことかよ…っ」

「な、中原さん?」

「…、烏間、さん……今、さっき…ほんとについさっきのことだ。……蝶が、校舎に…ッ」

「なん、だって…!!!!?」

ようやく、事態を把握した。

国が動き始めたというのは、担任を暗殺するための攻撃を仕掛けたということ。
そして、担任を殺すもの…それは、あの触手を形成する大元となった蝶の身体にとって、絶大な威力を発揮してしまう。

巻き込まれた、不幸なことに…ただ、それだけ。
些細なことで。

「……捩摺の姿が消えて、浦原さんは…蝶が瀕死状態だと伝えて、一度尸魂界へ戻っていった。…俺は、やろうと思えば単身で突入だってできるし、覚悟もある……けど、烏間さん。一ついいか」

呼吸を整えて、できるだけ殺意を抑えて、声にする。
大丈夫だ、この人はそんなひとじゃあない…この人は、そんな嘘をつけるような器用な人じゃあ、ない。

「…誰だ、その作戦の実行を支持したのは…国家機密級のプロジェクトなら、“標的以外に”悟られないよう、他の誰かがその場にいないかくらい分かった上で行うもんなんじゃねえのか」

「!!…確かに、カメラも設置してある……合図を出したのは、上官だ」

「上官………なぁ、その上官に代わってくれないか」

少し渋られた。
しかし、烏間さんも俺のことは信頼してくれているんだろう…すぐに、知らない男の声が響く。

「はじめまして…白石蝶さんの、保護者さんだとか?」

「はい、そんなところです。…単刀直入に聞きます、校舎に仕掛けられたやカメラに……うちの蝶が、写っていませんか」

「ああ、確かに直前に入ってはいましたね。ただ、開発者に確認したところ、普通の人体に影響は無いと言わ「普通の…?」?ええ、そう言われたものですから」

確認は、していた。
妙に引っかかる…
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