第27章 飢えて枯れてなくなった
酒の入った蝶は素直だ。
性格や言動も然り…身体も然り。
眠っている時は、どちらかというと可愛がるよりも己の愛情を優先して押し付けてしまうがために、蝶の弱いところはとことんなまでに触れてはやらない。
首も耳も、胸の頂も陰核も、秘部のその奥も。
普段はそれでも、身体の神経を通る感覚に震えたり、時折声が漏れたり息が少し荒くなったり…“その程度”のもの。
しかし、そこに酒が入れば、捩摺の言っていた通りの効果なのかなんなのか。
酷く深い呼吸をしているのに息を切れさせていたり、脚を擦り合わせたり腰をたまにくねらせてみたり。
可愛らしい…こうしてくれてしまうからたまらない。
あまり酔わせるのは年齢的にも良くはないから、意図的にすることはないのだが、今日は少し状況を利用させてもらうことにする。
キスを続けながら、異能でグラスに注いだ葡萄酒を近くに寄せ、少しそれを蝶の肩に垂らしてやる。
『…ッ、ン…っ……んっ』
少し冷たいからか大きくビクついた蝶。
すかさずキスを続け、ポタ、ポタ、と不定期に葡萄酒の雫を垂らすようにすれば、蝶の腰の動きが変わってくる。
焦れったそうに、また少しひくついた秘部のように前後させたり、上下したり。
「……、可愛い…可愛いぞ、蝶…俺の蝶」
『ハ、…ッ…ぁ、…あ…』
首元は、核を埋めてあるために一番敏感で影響を様々なものから受けやすい。
そんな所に葡萄酒が垂れていく…赤くなる顔からしてみても、その効果は歴然だ。
「綺麗なもんだ…何もかも」
グラスの数を増やして、捲りあげたメイド服の裾から靴下を脱がし、脚にも葡萄酒を垂らしていく。
そして太腿にも。
そうする内にも、どんどん表情が蕩けてきた。
まだ、精々キスくらいのものなのに。
それが俺にとっても、一番心地のいいものなのだが。
しかしここで、薄く開かれ始める唇に、欲を掻き立てられる。
『ぁ…ぁあ…ッ…んぁ、…あ…っ』
「どうしたよ…感じてきちゃって閉じれなくなっちまったのか?…それとも口の中にも欲しいの?」
『はぁ、あ…ン…っ』
指で葡萄酒を唇に塗ってやれば、蝶の唾液が口の端から垂れてくる。
…既に今相当飛んでんな、こいつ。
「……もっと欲しい?…喘ぎ過ぎて返事出来ねえか?」
『あ、ぅ…あ、ぁぁ…』
その唾液でさえもが愛おしい。
喘ぐその声でさえもが、俺には…