第27章 飢えて枯れてなくなった
「と、いうと…尸魂界時代のボクが姫ちゃんの事好きで、捩摺さんが姫ちゃんのこと好きで…?…うわぁ、そこに他も加えていくと中々入り乱れてますね」
『他人事みたいに言わないでよ、私のこと最初に置いてったくせに』
「捩摺さん、今日は二人で飲み明かしましょ…」
「お前、キノコ栽培機増やしてんじゃねえか」
『いいのよ、今日から一週間蝶は中也の奴隷だから』
「マゾなのかサドなのかどっちかにしてくれ…」
捩摺の隣で蹲る喜助さん。
まあ、また今度どこかでちゃんと優しくしてあげよう。
これから一週間程は無理だけれど。
『足蹴に使ってくれてもいいよ…?』
「そういうの禁止。俺の奴隷なら特別待遇でもてなされてろ、命令だ」
『なんで奴隷の方が尽くされてるのかしら』
「奴隷じゃなくて従順な仔猫。いいな?」
『………にゃん』
「よーしよし、いい子」
わっしゃわっしゃと撫でられ、甘やかされ、デレられる。
嬉しそう…
「僕の蝶ちゃんが手懐けられてる気配がした!!!」
しかし、そこに突然バンッ、と扉を開けて入ってくる声が。
「ああ!!?俺のや、間違えんなトウェイン!!!」
「どっちのでもないよ、僕のだから」
「乱歩さん、私のこと忘れないでくれないかなぁ??」
表れたトウェインさんと真子に便乗する乱歩さんと太宰さん。
騒がしいのが増えてきたな。
「って、何!?なんで蝶ちゃんにメイド服着せてんの中也君!!?」
『えっ、なんで着せたの中也って分かるのトウェインさん怖い』
「君にそんな事させられるの中也君くらいしかいないでしょ!!!」
『…だって。見抜かれてるよ?中也』
「まあな。他の野郎に押し付けられたところでそう簡単に許してなんかやらねえよ…」
なんて言いつつ、手を差し出す中也。
手袋をわざわざ外したあたり、これは何かを要求されている。
中也の目を見れば熱烈な視線を送られ、使命感でさえ芽生えてきた。
『…こ、れは……、……こう、?』
手のひらが上を向いているため撫でてくれるというわけではなさそうなので、とりあえず少し首を傾けて頬を当ててみる。
すると中也の目が丸くなり、そのまままたぎゅうっと抱きしめられた。
「顎じゃなかったけどもう正解でいい。満点。いや、満点通り越してるもう」
『中也今日は甘えんぼね』
「他に取られんのが嫌なんだよ」