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第27章 飢えて枯れてなくなった


「で、監禁は流石にできなくて…」

「…メイド服かぁ、中也の割にはセンスいいじゃん」

色々な食べ物を食べたり騒いだりしながら、私の横でソファーに座ってる中也が私に食べ物を食べさせる。

「誰だよこいつにこんな性癖持たせた奴…するならもう少し準備とか色々あんのに」

「そんな性癖持たせた張本人が言ってるよ」

『中也、外連れ出してもよかったの?鎖に繋いで部屋閉鎖して、ずっと私に構いっぱなしになるんじゃ…』

「しねえよ!!できるかんなこと!!?今の格好だけでも十分やりすぎだっつの!!」

『…ご主人様、頭の悪い蝶にもっと命令してください』

「分かってやってるだろお前。知ってんだぞ頭いいってこと…」

褒めてる?と小首を傾げればケーキを口に入れられて頭を撫でられたので、恐らく勢いで言ったはいいものの聞き返されて本気で照れてしまったのだろう。

…可愛い。

「成程、やっぱり主導権は蝶ちゃんが持ってるんだ?飼い慣らされてるねぇ中也も」

『?蝶が中也の愛玩動物なのよ?間違えないで』

「可愛がりすぎて逆らえなくて、逆に主人が飼い慣らされてるんだよ」

「手前蝶におかしなことばっか吹き込むんじゃねえよ!!!蝶も蝶でなんでまだ愛玩動物設定続けてんだおい!!?」

『だってその方が役得じゃない。蝶好きよ、中也の所有物にされちゃうの』

「……そうかぁ、そうかそうか…ッ!!でも愛玩動物はそろそろ卒業しようぜ?お前は俺の奥さんだろう??」

『たまには愛玩動物みたいに可愛がってくれなきゃやだ』

言ったそばからぎゅううぅっ、と両腕で抱きしめられた。
充電というか、私成分の吸収というか…

「あーもういいや、なんでもいい可愛いから」

『今はいいけど夏場は涼しいところでしてね?暑いから』

「イチャつくんなら家でやりなよあんたら、見ててこっちまで暑苦しいわ」

「うっせ、本日の主役様がご希望だからいいんだよ」

『蝶はご主人様の思うがままにされたいだけよ?』

「一生家で飼いてぇ」

『学校あるから無理かな』

一瞬にして撃沈する中也に、また微笑ましくなった。

飼われても全然いいけど、ちょっとくらい離れてる時間がある方が構ってもらえるってことを私は知っている。
だから少しだけ策士になって、それを悟らせないように上手く彼を落ち込ませるのが大好きなのだ。

今日も中也は可愛いです。
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