第27章 飢えて枯れてなくなった
『そんな話もありましたね…でもほら、私、政府にお金貰わなくても困りませんし、私はそんなに安い人間じゃないですから』
「!それはそうだな…それに今回の依頼は、君のこれから先の人生を決定してしまうものになる。可能な限りの要求は飲もう」
流石は烏間先生、話が早い。
それにやはり信頼出来る…この人は近い将来大物にだってなるだろう、そういう目をしている。
こういう人の元でこれから先もいられるのは、私としては願ったり叶ったりなわけで。
『それじゃあ、三つほどお願いしてもいいですか?』
「…度合いや内容にもよるが、まあ君なら安心だろう。言ってみてくれ」
『じゃあまず一つ、武装探偵社とポートマフィアのご贔屓をお願いしたいです』
「それは…わざわざ報酬にしなくても、そうなる予定だが…?」
やはり人がいいな、この人も。
しかし、これは私にとっては最重要事項なのでやはり協定としなければどうにもできない。
どこかの組織にいずれスパイ疑惑がかからないとも分からないし。
『協定などに関しては私じゃ決められませんから、またその時に社長や首領と話し合っていただきたいです。そして二つ目、これも私にはとても重要な項目です…もしも私が所属するのであれば、烏間惟臣さんの直属の依頼人となりたい』
「…俺を些か買い被りすぎじゃあないか?全ての権限を俺に委ねると言っているようなものだぞ、それは」
『はい、その通りです。上層部や他から何か滅茶苦茶なこと頼まれても、烏間さんのゴーサイン無しに私は動くつもりはありません…勿論、私が何か動きたい時に貴方の許可を得ずに実行することも、ない』
「随分と信頼されたものだ…もう一つは?」
『最後のひとつは、今度は私からの依頼を受けていただくことです』
サラリと言ってのけた内容に、烏間先生が目を丸くする。
内容を問われたため、そのまま続ける事にした。
『私は、例えなにかの仕事中であろうと任務中であろうと、私の大切な人の危機であれば、命令を無視してそちらを優先させていただきます…それでもいいですか?』
「…構わない。君の職業柄仕方の無いことだ…それに、大切な人も多いだろう」
『それならよかった…報酬は、貴方に何かあったら、何があっても助けになる』
「!!!」
これで、どうでしょう?
私に微笑み返して、烏間先生はまた言った。
「…君らしい」