第27章 飢えて枯れてなくなった
週に一度は私の方から尸魂界へ赴いて、喜助さんに核も器も継続的に治していってもらう。
これももう習慣になりつつある。
霊力も徐々に回復しているし、能力を扱う頻度は逆に減っていた。
高校受験。
皆バラバラの道を歩み始める、その一歩。
私は浅野さんの誘いに応じ、そのまま椚ヶ丘高校に外部受験で合格し、高校入学の資格を得た。
カルマも同じ学校だというのが大きな救いだ、何があっても心強い。
今と違う環境下に独りで臨むのとは、全然違う。
今までずっと、独りだったから。
「!蝶、面談終わった?」
『カルマ!先帰ってていいって言ったのに…合格おめでとう。しかも首席だったって?やるじゃん』
「どの口が言ってんの?首席様…春休みにでもパーっといこうよ、高校でもよろしくってことで!」
『ええ…いいけど、それ中也のことちゃんと説得してよ?私一人じゃ絶対無理』
「あ〜、忘れてたわそこ…あの人またガード堅くなってるもんね」
校舎を出ながら、早くも春休み気分でカルマと計画を立てる。
そして、その途中で、殺せんせーと同じく久しぶりに会う烏間先生とイリーナ先生に少し目の前が明るくなった。
「あら、蝶にカルマじゃない!二人揃って首席でここの高等部に合格ですって?すごいわよあんた達、本当!」
「あのタコが泣いて騒ぐから何事かと思ったが…二人共、最後の最後までやってくれたな」
最後の最後。
そう口にして微笑んだ烏間先生に目を向けて、目が合ったところで声をかける。
『ありがとうございます、お二人にもお世話になってこその今ですよ…烏間先生、少しお話いいですか?カルマもごめん、ちょっと烏間先生に用事があって』
「?構わないが…」
「…了解、んじゃめんどいけど中也さんに許可でも取りに行くよ」
『私がいないところで必要以上にベタベタしちゃダメよ?』
するわけないでしょ、なんてケラケラ笑うカルマを見送って、烏間先生を連れて屋根の上に登る。
それから、私と烏間先生の二人を囲い込むように壁を発動させれば、烏間先生が少し動揺した。
「これは…」
『…すみません、受験シーズンで慌ただしいから、一段落してからにしようと決めてまして。……この壁は迷彩効果と防音効果を作用させてあります。なので単刀直入に聞きますね?』
____政府は、いったい何を隠し持っているんですか?