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第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ


『失礼します。白石ですが、誰か今手の空いてる人は…』

中を見れば、いつの間にこんなに人がいなくなったのか、太宰さんと谷崎さんの二人だけだった。
ていうか太宰さん朝いなかったよね、まさかまたどっかで自殺しようとしてたのかしら。

「あれ、蝶ちゃん!?学校行ってたんじゃなかったの?」

「何、蝶ちゃんが帰ってきただってえ!?もしかして私と心中を…」

巫山戯たことを抜かす太宰さんを無視して素通りし、連れてきた三人に中に入ってもらった。

『すみません、ちょっと学校の方で色々あって、カルマ君以外の子にも説明しときたいなって』

「す、スルーは酷いよ蝶ちゃん…って、これはいつぞやの赤羽カルマ君じゃあないか!」

「あ、太宰さん久しぶり。すぐ本題に入らせてもらって悪いんだけど、この二人にも俺と同じように色々と説明してもらえたら嬉しいな」

太宰さんめ、私がスルーしたからって今度はカルマ君に話しかけたな。

「ど、どうも…俺は」

前原君が名乗ろうとした時、太宰さんが言った。

「ああ、君達の名前なら覚えているよ。前原陽斗君と、磯貝悠馬君だね?私は前に一度E組に訪れたことのある太宰治だ!覚えてくれているかなって、蝶ちゃんも谷崎君もそんな目で見ないで!!」

谷崎さんなんて何やってんだこの人って目で太宰さんを見てた。
完全に一瞬国木田さんが移ってたよ今。

『お茶入れてくるんで咲き始めといてください、出来れば谷崎さんに説明をお願いしたいところなんですが』

「え、僕?全然いいよ!さ、とりあえずそこの椅子に座って」

「ち、蝶ちゃん、私は?」

『太宰さんは……サボってた間の分の報告書、さっさと作成しといて下さい』


出来る限り冷たく言い放ってから給湯室で六人分のお茶を用意して運んだ。
太宰さんの分なんてついでだついで。

「で、ここはボディーガードを斡旋する仕事場なんですか?」

前原君が最初に言い放った一言が衝撃的すぎて一同噎せこんだ。

「ま、前原?さっきドアに、武装探偵社って掛けてあったろ?」

「あ、武装探偵社…え、白石あの武装探偵社だったのか!?東京の方でも有名な組織じゃねえか!!」

驚いた、この子はまだ私の事をただのボディーガードだと思ってたのか。

まあ、椚ヶ丘の方でも武装探偵社と聞くだけでイメージをわかせてもらえるのは説明が省けて楽なのでありがたかったけど。
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