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第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ


『そう…いいよ、周りを警戒してなかった私のミスだから。で、折角殺せんせーが話し合いの時間くれたけど、私の本当の職業の説明ついでに能力での移動、体験してみる?』

にこりと笑って見せれば、屋根の上から声が聞こえた。

「ちょっと蝶ちゃん、俺の事置いてけぼりにするつもり?しかもその顔、俺にしたのと同じ事しようとしてるでしょ」

顔を覗かせたカルマ君は私が何をしようとしてるのかの察しがついたらしく、苦笑いを浮かべている。

そしてそれを見た前原君と磯貝君は何故か嫌な予感がしたらしいが、もうこの際そんな事はお構い無しだ。

手を前に出して、いつものように横浜の街…今回は武装探偵社の事務局の目の前をイメージし、白色の蝶を集めて扉を作る。

「うわ、どっからこんなに蝶が!?」

「白色の蝶…綺麗、しかもドアになるんだ」

『じゃ、横浜まで移動しちゃおう』

扉を作り終えたら、カルマ君を屋根からこちら側へとテレポートさせる。

「げっ、俺強制?」

『当たり前でしょう、一号君。よーし、じゃあ三人とも私のどこかを掴んで離さないようにしててね』

腕を広げれば真っ先にカルマ君が腕を掴む。
流石一回体験させただけあって、もう覚悟は決まったようだ。

「前原も磯貝君も、絶対蝶ちゃんの腕離しちゃダメだからね」

普段見ることのない神妙な面持ちのカルマ君を見たからか、前原君も磯貝君も、しっかりとカルマ君や私の腕に掴まった。

そして作った扉を開いて……

『いっくよっ!!』

「は、え、ちょっと待て!!?」
「何で空中!?ちょ、落ちる、落ちるってこれええええ!!!」

ある程度二人のリアクションを楽しんでから、テレポートで地面に着地した。

『あー楽しかった』

「し、白石…お前絶対わざとだろ、なあ」

『え?うん』

さも当然のようにして答えると前原君はがっくりと項垂れて大人しくなる。

「それにしても…ほんとに来ちゃったよ、横浜」

早くも冷静さを取り戻したのか、磯貝君は平常運転。
さっきあんなに叫んでたのになぁ…



ついてきて、と言って探偵社の事務所のあるビルの四階まで上がり、武装探偵社という文字が掘られたプレートが掛かるドアの前に案内した。

そしてつい先程出ていったばかりの探偵社に再び入る。
今回は三人を連れてきたため、ちゃんとドアからノックをして入る事にした。
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