第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ
『そういう事になりますね。お陰様で今ボディーガードやれるだけの力がついてますし』
「馬鹿弟子が。前に一度、この子の写真を見せて話した事があったろう。日本の横浜に鬼才がいると」
「そ、それで初めて会った時に見た事ある気がしてたのね…」
私の事をよく覚えていると言ったロヴロさんに今は武装探偵社の社員である事を説明すれば、ボディーガードだと皆に説明している意味を汲み取ってくれた。
しかしそこで再び疑問が生まれたようで、また質問をされる。
「だが君は、ポートマフィアであの体術使いの男…中原といったか?と酷く親しげだっただろう。そんな君がどうしてマフィアを脱退したんだ?」
『あー、それにはまあ色々と事情がありまして。今では社長と首領の理解もあって、武装探偵社で働きつつもポートマフィア側の知人には良くしていただいてます』
流石にこれ以上は追求されずに済んで、ほっと一安心。
それにしても本当に小さい頃から私は中也さんにベッタリだったんだなあと、第三者から語られて改めて思った。
「もし君がまだ殺しをしていたならば、迷わずスカウトしていたところ何だがな」
『そんな、私そこまで言われる程の人間じゃないですよ?後、スカウトされても私は中也さんから離れませんから、ダメですからね!…じゃあ、私もそろそろ教室戻ります。失礼しました』
職員室を出て、少し呼吸を整える。
ポートマフィアというところには被せたし、恐らく気づいた子はいないだろう。
しかし、どうして今ボディーガードなんてやっているのかとロヴロさんは言った。
そこを怪しまれて何者なのかと聞かれれば、私は皆とどう接すればいいのかが分からなくなる。
これ以上誤魔化すのも苦しいものがあるだろうし、なにより信頼関係を壊したくはない。
『もういいや、とりあえずご飯食べよ…』
こうなったらもうやけだ、お昼ご飯を食べて、何かを聞かれてから答えればいいだけの事。
教室に戻って席に着けば、皆明らかに私を気にした様子でそわそわしている。
そして寺坂君が私に向かって話しかけた。
「おい白石。お前、本当にただの護衛なのかよ?あの殺し屋は相当な腕前の奴だって聞いてたのにあっさり倒しちまうし、それに何か隠してる事があるみたいじゃねえか」
『私がここに来たのは、確かに護衛の為だよ。隠してる事は……ないとは言えない』
