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第4章 新しい仲間と新しい敵と…ⅱ


職員室で聞こえた大きな音を聞きつけて、教室から皆こちらに駆けつけてくる。

『貴方程の腕前の殺し屋がどうして烏間先生を?理由によっては拘束して身柄を確保しますが』

殺し屋 ロヴロ…裏社会では有名な殺し屋だ。
しかし最近は暗殺業を引退して、殺し屋の斡旋を生業としているという情報があったはず。

ポートマフィアの方と一度だけ契約を結び、横浜にいた外国人の標的を仕留めるべく、中也さんについて任務に同行した記憶がある。

なんで熟練した殺し屋が、わざわざ烏間先生を標的に?

「ち、違うんだ白石さん。これには少しわけがあってだな…とりあえずロヴロさんを離してやってくれないか?」

『…烏間先生が仰るのであれば』

どういうわけなのかは知らないが、烏間先生が離しても大丈夫だというのなら信用しよう。

黙ってロヴロさんから退いて立ち上がれば、教室にいた皆が様子を見ていたことを思い出して、少しだけ恥ずかしくなった。

「蝶ちゃん本当に何者なの…あのロヴロさんって、本物の殺し屋だって聞いたよ?」

『その本物の殺し屋から護衛する為に来てるんだから、対抗出来なきゃクビになってるよカエデちゃん。』

カエデちゃんの言葉に返していれば、烏間先生が説明を始めてくれた。

どうやらロヴロさんはイリーナ先生をこの教室に斡旋した張本人らしく、イリーナ先生が力不足だと認識しているため、先生をこの教室の担当から外そうとしに来たらしい。

しかしイリーナ先生本人はここで暗殺を続ける意志があるし、殺せんせーを暗殺する為にはイリーナ先生が必要だと殺せんせー本人がロヴロさんに主張。

そして今日一日かけて烏間先生にナイフを一度当てた方が勝利とした模擬暗殺の対決が行われ、ロヴロさんが勝てばイリーナ先生は帰ることに、イリーナ先生が勝てば残留が決定するとのこと。

『すみません、そうとは知らずに手を…』

「いや、いい。生徒である貴女にこのざまだという事は、それまでの人間だったという事だ…イリーナがやれるのかどうかを、後は見届けることにする」

私が蹴りを入れたロヴロさんの手は早くも青く腫れていて、とても暗殺を続行出来るような状態じゃなかったため、謝罪した。

気にしないでいいとは言ってくれるものの、せめて手当だけでもと思い、保冷剤をあてて包帯で固定させていただく。

「…君は、私と会った事があるかね?」
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