第25章 収束への旅路
「まあ、あの子の体中についているキスマークについては別問題ですけどね?」
「……え?」
今の話の流れでどうしてそうなった。
一瞬にして雰囲気の変わった浦原さんに、問い詰められ始める。
「あの子が可愛いのはよぉく分かります、丹精込めて純粋に純粋に育て上げてきて…世界一…いやもう宇宙一可愛いんですアタシの娘」
「お、おう…そうだな、心の底から賛同するよそれは」
「しかし!!!…あの子の身体をあんな風にしてくれてしまって…あんなことやこんなことをどれだけしたらあんなことに…」
「ま、まてまてまて!!言っとくけどあれはあいつがやり始めて…ってほら、あんまり見せるようなもんでもねえけど、なんなら俺の方がやられてるんだって!!!」
腕や胸元を、衣服を緩めて浦原さんに見せる。
俺は加害者じゃないぞ、決して。
寧ろキスマークに関しては俺の方が被害者で…
「……貴方相当Sですね、あの子にそんなことばかりさせるだなんて…可愛いでしょう?萌えるでしょう??」
「可愛ッ…、いいよ!!そうだよ、悪いか!!?仕方ねえだろ好きなんだから!!!」
もはや開き直る。
この人…かなりの親バカだ。
俺に輪をかけて過保護だ、間違いねえ。
そしてあいつがあんなにも純粋だった原因もここだった…すげえいい親じゃねえかこの人、寧ろ俺の方がありがとう浦原さん。
「…結婚式はこちらの世界で行う予定で?」
「え、なんだよ、公認でいいのか?俺」
「当たり前でしょう、あの子のあんな可愛い表情が拝めたんですからああ!!!!!」
「……蝶!!!浦原さんから結婚、認められたぞ!!!公認だってよ!!!!」
大声で扉に向かって叫んでやると、言っちゃうんスか!!?と動揺しまくる浦原さん。
そして、耳のいいあいつには十分すぎるその声量に、バンッッと大きな音を立てて扉が開かれる。
『公認!?公認の旦那さん!!?い、いい人でしょ!?かっこいいでしょ!!?』
「わ、分かった、分かったからお前もう少し落ち着…」
「貴女がそんなに可愛い顔して語ってくれる人だ、いい人ですよ…ああもう、可愛いなあ澪さんは本当に…おいで、もういくらでもギュッてしてあげちゃいます!!!♡」
『喜助さん大好き…っ!!!!♡』
…この親にして……この、子供。
「イチャつきおってほんま…頑張れよ、あれが澪のオトンや」