第25章 収束への旅路
「お前相当扱い慣れとんなこいつのこと…」
「俺は手前と違って学習能力高ぇからな?」
「あー分かった分かった、それ以上煽ってくんなお前さん」
「ああ、折角ならここにいる皆さんも一緒にどうです?澪さんのためだ、それくらいしても誰にも文句は言われません」
俺と平子の言い合いに突然新たな提案を投下する浦原さん。
その提案に目を輝かせるのが、こちらの異能力者共。
「い、異世界って…」
「立原、大丈夫だ。それが普通の反応だ…」
「…っす、」
『……それ、おじいちゃんは許してくれるの?』
しかし、蝶の発言にピクリとあちら側の四人が顔をかたくする。
それから、申し訳なさそうな…悔しそうな顔をして、そんな中浦原さんが、困ったようにその事実を口にした。
「すみません…山本“前”総隊長は、戦死されてしまって」
『…そう、ですか。…その様子だと、他にも色々とありそうですね』
「…本当は会わせてあげたかったんですけどね…今は、京楽さんが一番隊で総隊長を務められてます」
『じゃあ安心だ、あの人なら無理言ってもだいたい通せる』
「そうです、後始末は全部押し付けちゃいましょう!」
この親にしてこの子供…成程、よぉく納得した。
よく似てやがる、考え方やら損得勘定やら…思慮深さやら。
「で、中原さん…折り入ってお話がありますので、少し二人になれませんかねぇ?」
「!俺と…?構わないが…」
探偵社の人間に目配せすると、客間を明け渡されることに。
しかし、それでも俺から離れようとしない人間が約一名。
「……お前そんなにここから離れたくねぇの?」
『…ダメ?喜助さん』
「あ〜…本当に懐いてるようで………でも澪さん、いいんです?今からするのは“オトナのお話”ですが」
『あ、っ…い、いいです…!大人しくしてますッ!!』
一瞬にして俺から離れる蝶。
そんな様子に唖然として、退室した蝶に呆然とする。
「う、嘘だろ…あの蝶があんな一瞬で…?」
「刺激の強い話はあの子は苦手ですからねぇ…で、中原さん。単刀直入に聞きますが…あの子と性交をしたこと、ありますね?」
「!…成程な、そりゃあ“オトナのお話”だわ……ああ、したことがある。…卵子の事ならもう解決してるし、お互い色々と話し合って覚悟も決まってる」
「…卵子…のことを、どうしてあなた方が…?」