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第25章 収束への旅路


「言わねえよ一々、俺が口出しするようなことじゃねえし…ただ、うちの可愛い可愛いこいつが中々素直になれそうになくってな。…俺としては、あんまり苦しい思いをさせたくねえんだよ」

「…俺と澪は恋人でもなんでもないから気にせんでええぞ、寧ろ邪魔者は退散した方がええやろ。俺もそこまでしつこない…別に澪の事嫌ってるわけやないしな」

あーあー、これだから更にややこしいことになるってのに…俺以上の馬鹿だなこの男。

『!!…、……どいて中也、全然足りない、やっぱりあの何も詰まってない空っぽの頭どうにかしないと気がすまない…ッ』

「だぁから、お前も頭に血がのぼりすぎだっつの…好きな相手にほど手が出たり口が悪くなったりするの、むこうは気付いてもないんじゃあないか?」

『え、………は、ッ…、な、に…話して…』

「…あ?…なんやそれ、何言うてんねや自分、澪が口悪いんはいつものこ「平子さん本当、救いようのない鈍感さですよね」ああ!!?何やねん!!?」

口をパクパクさせながらぶわっと顔を真っ赤にさせた蝶に、こちらの世界の全員が何かを察した。

「…えっと、平子さん?…さっき、意図せずにキスをするということになってしまいましたけど…あれ、どう思って…?」

「やからそれは事故やから、何も澪は気にせんでええって…、?あ?」

ポロポロと涙を流し始めた蝶に気が付いたのか、顔をどんどん青くさせる平子。
どうやらこいつが泣くのは相当効くらしい…

『…、…ッ…帰っ、らせて…、帰らせて、よ……も、やだ…ッ……帰らせて、っ…』

「…お前、まぁた何か誤解してるから絶対ダメだ」

『なん、っでよ…、……分かってるでしょう!?とっくに終わってるの!!…、こいつは、私のことなんか何とも思ってない!!!何なら可愛げもなくて、めんどくさいとまで思ってる!!!!』

「この見るからに阿呆そうな男が、俺みたいに自覚があっても素直にそれ伝えるような奴に見えるか?お前…」

『へ…、…?』

ピタリとお互いの勢いが止んで、平子と蝶の目が合った。
しかしその瞬間に、照れて恥ずかしさが極限にまで達したのか、蝶は俺の背中に隠れてしまう。

「な、っ……お、い…今の……おい、澪!!?お前まさかまだ気付いてな…ッ」

『…、…ッ、下心もない癖してキスしてくんな!!!名前も呼ぶなっ、触れるな!!!!』

「んなッ!!?」
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