第25章 収束への旅路
『……、医務室…夢…?』
「目、覚めたかい?」
『あ…、トウェイン、さん…よかった、トウェインさんだ……えへへ、』
「…蝶ちゃん、平『びっくりした、変にリアルな夢で…どこからだろ、中也と旅行に行ったあたりからだったりして…』……蝶ちゃん、夢じゃないから…悲しくなるような嘘つかないで。嬉しいなら、素直に喜んだっていいんだからさ」
困ったように微笑まれて、胸がチクリと痛んだ。
喜ぶ?何を?どうして?
私は、中也を……
「おーおー、意固地んなって…お前まだ治ってないんかいなその癖?わっかりにくいわほんまに」
『…何しに来たの、帰れって言ったわよね』
「俺がはいそうしますとでも言うたか?俺の諦めの悪さはお前が一番よう分かっとるやろ」
『忘れたわよそんなの…出て行って、これ以上いるんなら本当に殺すわよ?あんた…』
「やれるもんならやってみろや、そんなつもりない癖して何強がってるんか知らんけど…」
____事故なんでしょ
ポツリ、呟いた。
「…せやな、事故や。お互い意図せずにああなったんやから」
『……あっそ…今すぐ死に晒してこい…っ!!!!』
「どぅふ…っっっ!!!!!?」
「えええええっ、蝶ちゃん!!!!!?」
ふざけんな、こっちがどんな気持ちにさせられて…
こっちが、どんな気分か…知りもしないで、事故なんかで済ませられるなんて。
医務室の壁に蹴りつければ機器がそいつに落ちていく。
器物破損も気にならないくらいには、興奮をおさえられなかった。
そのまま歩いて事務所に出ると、そこには皆と喜助さんに、白哉さんがいて。
「いやあ、すごい音しましたけど…大丈夫です?平子さん」
『どうせ死なないわよあんなのじゃ…なんで連れてきたの、あんな馬鹿』
「貴女が一番会いたいんじゃないかと思って」
『…会いたくなんかなかった。……帰…、っ…いつ、までいるの…?ここに…』
帰るつもりだったけど、この人の前ではそれもできない。
いつまた会えなくなるか…分からない。
「…“大丈夫”、もう会えなくなるだなんてことないから。…安定させるのに一ヶ月ほどかかるだろうから、それまではこちら側から道を強化させるつもりです…いつでも会える」
『ほん、と…?ほんとに…ほんと?』
「アタシが嘘吐いたことありま『ある』…ありましたね。…今回は本当ですよ」
