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第25章 収束への旅路


静まり返るその場。
トウェインさんや芥川さんまでもが静かになって、なにも発せない様子。

血が出るくらいに唇を擦ってから、それからハッとしたように立原の声が響き渡る。

「ち、ちちちち蝶!!!?何やってんだよ、お前そんな本気でやったら相手死んで…、蝶…?」

『うっさい…話しかけないで』

「!…おい、口が____」

立原が私の雰囲気の違いを感じ取ったところで、瀕死の様子で復活を遂げたそいつがふらふらな癖してこちらに歩み寄り始める。

「おっ前…、久々やっちゅうのにえらいもんお見舞いしてくれてほんま……!今の本気やったやろ、殺す気かてめえ!!?」

『黙れ…、何しに来たの、今更…ッ!!なんでよりによって“ここ”に来たの…っ、なんで、よりによってこんなところに来たの!!!』

「!…澪さん…少し落ち着いて___」

『うるさい…っ、人の唇なんかわざわざ奪いに来るな…!!!!人の気も知らないで勝手なことばっかりして、かっこつけるだけかっこつけて結局今更…今更、何しに来た!!!!』

酷い言い草だ、本当に。

けれど、どうしてここで?
どうして、この世界で??

なんで…私が、愛しい人を作ったこのタイミングで。

……全然、嫌じゃなかった。
それが悔しかった…死にたいくらいに悔しかった。

どこかで見ないふりをしていたんだ、どうせ会えないだろうと思っていたから。

どこかで…分かってたんだ。
自覚をしてしまったから…私が、こいつを死ぬほど好きだったんだって。

死ぬほど恋い焦がれていたんだって。

「さ、さっきのは事故で…」

『…っ、事故で済む…んだ、……それなら二度と顔見せに来んな!!!!二度と…ッ!!!!!』

「!澪さんッ、貴女一体どこに…!!!」

『あ、ッ…喜助さ…、』

扉を作りかけたところで、その瞳に見つめられれば、作れなくなる。

貴方の手から離れていきたいだなんて思ったこと、一度たりとも私にはなくて。

「ちょ、っ…お前人にそんな暴言並べといて喜助には「平子さんが鈍くてすみません、本当に」んなッ、…」

『…、…!!!太宰さん!!!まさかここに中也さ「来てないよ…蝶ちゃんが落ち着けるまで会わないようにって、あっちでは乱歩さんがついてるから大丈夫」…、良か…っ』

「!!?澪!!!!」

「…本当に鈍いッスよね平子サン……すみません、お騒がせして」
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