第25章 収束への旅路
「…色々と、貴女には謝らなければならないことばかりだ。…ろくに可愛がってもあげられず、あんなことになって」
残った二人…そのうち、私の近くで安心させるように柔らかい口調で話す、癖のある色素の薄い色の髪の男の人。
翡翠色の目は相変わらず綺麗なもので、全てを見透かされているように錯覚さえしてしまう。
『…喜助、さん…?』
「!……はい…そうですよ。…澪さん」
“私”を生み出した、“名付けと育ての親”…浦原喜助さん。
それから、もう一人。
「…俺にはリアクション無しかい」
『………喜助さん…どうしてここに?』
「無視ってお前…」
「貴女のエネルギー反応が二分化して、その影響で…こちらの世界に干渉できそうな歪みが生まれました。…そこを突いて、なんとか世界を繋げまして」
「てめえも無視かい!!!」
金髪の…おかっぱ野郎。
無駄に綺麗な髪…無駄に癖のない、真っ直ぐな。
そして…
「おい、いい加減にこっち向けって言って…ッ」
『__っ、!!!!?』
無駄に、格好いいものだから。
無駄に、安心させてくるから。
ぐい、と頬に手を当てて上を向かされ、近付けられた顔に目を見開いて…何も言えなかった。
『、…な…ぁ…、っ…あ…』
「…なあ喜助、こいつ連れて帰って襲ってええか?」
「アタシの可愛い可愛い娘になんてことしようとしてるんスか、ダメっすよ。当たり前でしょう」
「チッ、ぶあっついセンサーやでほんま、に…!!!?」
ゴンッ!とその頭を目掛けて飛んできた瓦礫。
見れば、壁が崩れてきていて、中によく知った顔の人達が。
入ってきていて。
『……ッ、____』
「………あらら…どうしましょ」
「蝶ちゃん無事!!?強行突破で壁撃っちゃったんだけど、当たったりしてな___」
「白石!!!拉致した輩は僕が「はいはい、後でちゃんと説明したげるから落ち着いて君達」な、っ!?太宰さん!!?」
「すみません本当、血の気が盛んで…」
「おい蝶、お前いきなり攫われたってどういう____」
よく、知った感触。
けれども、知らない感触…知らない相手とのこの感触。
頭が追いついてきたところで、私の上に被さってきたそいつを思いっきり引っペがして____全力でひっぱたいてから壁にめり込むように回し蹴りした。
「ふべ、ッッッ!!!!!?」
「「「あー…」」」
