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第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ


何で全部喋っちゃうかな!
何て悪態をつきつつ、山を下って能力を使い、探偵社の事務所へ移動する。

さっきは確かに恥ずかしくなって早足で出てきはしたが、その実今日は本当に用事がある。
用事…というほど重要なものでもないのだが、人との約束は守らなくちゃいけないからね。

早く探偵社に顔を出して帰ろうと思っていると、国木田さんに呼び止められた。

「白石か!丁度良かった…明日、学校で何かあるか?」

『国木田さん、ただいま戻りました。明日ですか?特に何も無かったと思いますけど』

「なら、済まないが明日、敦の教育がてらこちらの仕事に赴いてほしい。本来ならば俺達で済ませたいところなんだが、生憎手が離せそうになくてな…」

申し訳ないといった顔の国木田さんは、本当に人徳だと思う。
普段真面目…生真面目な国木田さんだからこそ、素直にお願い事を聞こうと思える。

『はい、分かりました!大丈夫ですよ、私も後輩ちゃんにちゃんと仕事を教えられるようになりたいですし』

「そうか。頼もしくなったものだな、白石も」

『そうですか?そう言っていただけると嬉しいです!…あ、私今日用事あるんでこの辺で失礼しますね』

「おお、烏間さんによろしく伝えておいてくれ」

『はい!』

用事、といって内容を隠すのは心苦しいものがあるが、探偵社の不利益になるような事ではないから大丈夫かなと自分の頭に言い聞かせて再び扉を作る。

そして一度中也さんの家に寄って約束の物を持ち、つい最近私が移動する先となった、ポートマフィア拠点の立原の執務室へ。
執務室と言っても、立原はそこまで書類を扱う事は多くはない為、そんなに大きな部屋ではないのだが。

『お邪魔します!』

「うおお!?いきなり来たらビビんだろ!!」

『え、そんなのわざとに決まってんじゃん』

何言ってんの?といった具合に笑顔を向ければ、見事に口角を引き攣らせていい反応をしてくれる立原。

「はあ、まあいいよ…にしてもお前さあ、何で中原幹部のとこじゃなくて俺のところを出入口にしたんだ?」

『……そ、そりゃあ勿論、お仕事中の中也さんの邪魔するわけにはいかないでしょ?』

少し恥ずかしがりながらも正直に言った。

「俺は邪魔してもいいってか!!」

またもや彼はいい反応をみせてくれる。
これが中々に面白い。

『だって、ほとんどここで仕事しないでしょ』
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