第25章 収束への旅路
『今日は蝶、もしかして中也のこと独り占めに出来ちゃう日…?』
「…みたいだな。…とっとと体調治すためになんだからな?そこんとこ分かってんのかちゃんと」
『中也さん成分補給しなきゃ、何も治らないってことですよ』
説得力がありすぎて否定ができないのをどうにかしたい限りである。
蝶に関して言えば本当にそうだ、余計にタチが悪いことに。
俺を補給してくれる分にはいい…寧ろウェルカム、いい仕事してくれてるぜ体調様よ。
が、問題がそこには多く含まれているわけであって。
「お前、俺と衝突する時の方が風邪ひくよりよっぽど体調崩してくれっからなぁ…」
『でもその後治してくれるでしょう?』
「……ご最もだよ」
今のは本気で照れさせられた。
満更でもないのを無駄に隠そうとして、被っている布団を少し上に上げる。
心臓に悪い…これだから天然タラシは。
本音をサラッと言うから本当に困る。
これじゃあ小さい頃と立場が逆じゃねえか…
いや、待てよ?
それだと俺の方が今は蝶のことが好きで…いや、待て待てこれは早計にも程があるぞ俺。
思い出せ、あの頃の俺がどんな思いでそれをこいつに悟らせないようひた隠してきたのかを。
『そう考えると、今も俺の方が〜…いや、待てよ?決して今俺の方が蝶への想いにあいつよりも負けてるだなんて、そんなことあるはずが____』
「…!!?てんめ、っ…!!?!?こ、心読みやがったな!!!?」
『だってこっち向いてくれないんだもの』
「読心術まで使うたァ相当寂しがってんじゃねぇか…おいおい、素直に言ってみろよ、こっち向いてくれないと嫌だって」
『…言わなきゃ見てくれないの…?』
「あー俺が悪かった、全てにおいて俺が悪かったです蝶さん。そうだな、俺の考えが愚かだった」
一瞬で蝶の方へと振り向き直した。
我ながらなんて単純なのだろうか…まあ?嫌な気はしないが?
決してだ。
『次私のこと放っといたらそっちからちゅうするの、一日禁止』
「はっ、俺が守ると思うかんなもん?お前がして欲しいんならそんなの、俺が守らず行使するに決まっ『さっき手前って言った』…」
『…手前って「すんませんっした、貴女様になんという口の利き方を…どうか腕枕で許しては下さらないでしょうか」!!…くるしゅうないです、喜んで…♪』
無言で二回繰り返されるのはキツい…