第25章 収束への旅路
「これに懲りたら俺にあの手の悪戯は仕掛けねぇこったな…まあ、お前が何倍にもして返されるのをお望みならそれでいいが?」
『ち、が…っ…のに…♡』
夜中になってようやっと落ち着いてきた頃合。
背中を指でなぞるだけでももう腰が崩れてしまっている。
「違うって…そういやずっと言ってたなぁ?何が違うんだよ」
『ら、って…ぁ…♡…中也さ、んが…全然、キスとかしてくれな…から…ッ』
まさかの理由にフリーズした。
いや、確かに考えてみれば蝶の元へ駆けつけてからしないようにしていたし…能力と核の譲渡くらいでしか…
あ?そういえば…、と思い返してみる。
そもそも俺が駆けつける前、電話でこいつなんて言ってた?
「………蝶、お前今日俺に電話かけてきた時…すげぇ出来上がってなかったか?」
そういえば、だ。
こいつが普通の状態で、あんな風に俺に泣きつけるレベルで素直になんかなれるわけがない。
それは俺がよく知っている。
とすると、電話で聞いたあの声は…
「…お前カルマに何された?」
『!!!』
「図星か…いいよ、怒らねえし……あいつもお前がそうすれば素直んなるって分かっててしたんだろ」
だから怒ってもいいから、なんてほざいてやがったのかあいつ。
まあ、今回の件については怒るどころか感謝しかないわけなんだが。
「…何されたんだよ?俺に言えないようなことされたのか?おい……どこをどうされてあんな声出してたんだ?」
ここか?…それともこっち?
なんて問いながら、蝶の身体に直にまた触れていく。
胸元をこえて、お腹の柔らかな部分を過ぎて…こいつの大切なところへ。
ピクン、ピクン、と快感の波が止まないのかまだ感じ続ける蝶だが、恐らく今辿ってきたようなところはハズレだ。
何故ならば、相手がカルマだから。
服が乱されていた様子もなかったし、恐らく触れられてすらいない…そんなことをしようものなら、“怒られる”だなんてレベルで済まされなくなることもわかってるはずだ。
「………こっち?」
『ッッ、…!!!!!♡』
呟いてから、ふっ、と息を吹きかける。
それからこいつが昼間してきたようにして、ねっとりと耳を堪能し始めた。
『ぁ…、あッ…♡ああ…ぁ…〜〜〜〜〜っっ!!♡♡』
「…ここか?蝶…素直な蝶が好きだぞ俺は」
『あ、っ…そ、こ……ッ…♡そ…っ、ふ、ぁ…ああ♡』