第25章 収束への旅路
『ぁ…あ、っ…ぅぁ…♡』
「まさかこれだけでイっちゃうなんて…相当開発されてるね?中也さんに…で?中也さんにちゃんと言う?」
『言、う…っ、言い、ます…ッ…ぁ…♡…言う、からぁ…っ…い、じわるやだ…、キス、ないのやぁ…っ』
「!!!」
バッ、と、咄嗟に飛び退く彼。
疼く体が、なんで?なんで?とおさまらない。
「…蝶、電話…中也さんに電話、できる?」
『中也、さ…?』
「そう。ちゃんと不安に思ってること…伝えられる?」
そしたら、中也さんがちゃんとキス…してくれるはずだよ。
彼の口から放たれた言葉に目を丸くして、コクリと、何かに従うかのように頷いた。
「よし、いい子…じゃあ、はい」
携帯を操作してから、私に貸すカルマ。
なんとか腕を動かして耳元に携帯を固定すれば、少ししてから私の身体を思うがままに操れてしまうその低い声が響いてきた。
「よォ、この時間に電話かけてくるなんざ珍しいじゃねえか…何があっ『ッ、ハ…♡』あ?…おい?どうした?」
『ぁ…、中也さ…っ♡』
「!!?蝶!?…おま、っ…は、え、どうしたんだよそんな声して…っ、どうした?何かあったのか!?今から向か____」
『ひ、ぁ…ッ…、……中也、さん…ごめ、なさい…っ……蝶、頑張ろうって、してた、のにッ…何もできな…』
「どうしたどうした!?頑張ろうって、お前また何を思いつめて…」
『…っ、…助け、て…ッ、……一人、に…なりたく、ない……死にた、く…ない…!』
声にさえ感じていた体が、いつの間にか彼を欲しがっていた。
口付け以上に、彼そのものを。
素直にされて、さらけ出されてしまった私の心は脆くて、全然強くなんかなくて。
「蝶!!?お前、今どこに「中也さん、ごめん。ちょっと無理矢理素直にさせただけで、今は学校に…俺と一緒にいる」!!カルマか!」
「…正直、見てられなくて。…来れそう…?…何とか無理だけさせないようについとくからさ。……後から俺のことはいくら怒ってくれても構わないから」
「怒るもクソもあるか!?んなもんより蝶が優先だ馬鹿野郎!!!っ、…ついててやってくれ、頼む…急いで向かう」
「…うん」
二人の会話をよそに、ただ私は、誰に言うでもなく懇願し続けることしかできなかった。
折角、こんな身体でも逢えたのに。
これからなのに。
離れたく、ないよ…