第25章 収束への旅路
私がバッと離れるのを分かっていたようにして、彼が身を乗り出して顔を近づける。
『な、な…っ…何、を…ッ』
「いや、ほんとに一途だなって…中也さんのことになると、蝶ってこれ以上にないくらい綺麗になるんだよ」
『あ…あっ、ちょっ…!や…ッ、!?』
離れきれなくて、押しのけることもできずに、屋根の上で仰向けになることしかできなかった。
両手首をカルマに手で軽く屋根に押さえつけられれば、頭の中が真っ白になる。
『な…、に……して…』
「…綺麗だなって…見惚れてる」
『ひゃ、ッ…!?…ま、まって…カルマく…ッ』
おでことおでこをピタリとくっつけられて、呼吸さえまともにできなくなる。
目をぎゅっと瞑って羞恥に耐え、それから手首に力を入れるのだけれど…それでもやはりというかなんというか、ビクともしない。
「蝶…そんな悲しいこと言わないでよ。…言えばいいじゃん、誰にだって…蝶の周りにはいっぱいいるでしょ?強い人達」
『ッひ、…っ…み、み…ダメ…!!』
「聞いてんの?俺の話…聞かないんなら、その口塞いで黙らせるけど」
『ふえ、ッ!!?…な、…ぁ……あ…~~~っっ、!!!?』
動揺した途端に、恐れていた事態は起こらずに、耳へと意図していなかった刺激が送られる。
耳をねっとりと味わわれながら、思いもしなかった相手からの愛撫に体を硬直させ、そしてやはり追いつかない頭の整理。
『何、っ…な、んでッ!!…っあ、…あぁ…ッ』
「…中也さんのことばっかで、いつも無理ばっかりするんだから……ほら、声我慢しないで。ちゃんと感じてるの、見せて」
『な、っ…ぁ…やめッ……!!、ぁ…ン…っ、…ん、あ…っ…』
息も絶え絶えになってくると、声に導かれるように、素直に刺激を受け止め始めるこの体。
おかしい…変にされてるのに。
次第に体から力が抜け、指にさえもう力が入らなくなる。
『ぁ…あ…っ、…ン…ん、ク…っ…ぁ…♡』
「…うん、いい声…ちゃんと感じれんじゃん。中也さんに教えこまれてるんだね」
『!!?ッ、!?♡♡ぁ、っ…中也、さ…♡』
ビクンッ、と跳ねて反応する身体。
ダメ、今その名前を出されると…何かがおかしくなる。
何か、きちゃう。
「…中也さんに内緒にしてていいの?大好きな中也さんにさ」
『ら、っ…め…♡…ごめん、なさ…~~~~ッッ!!!!?♡♡♡』